つくり手の中にある「一見非効率なこだわり」に目を向ける視点
優れた戦略には、「バカなる」の要素があると言われています。
何回かnoteに書いていますが、『「バカな」と「なるほど」』の書籍は愛読書です。
しかし、この要素を仕事の中でどのように活かすのか?
が不明なままでした。意識することはできるのですが。
マーケターが「バカなる」要素を見つけるためには?
こんなことを最近考えていて、たまたま読んでいた本がこちら。
ウルトラニッチという本を読んでいて、「つくり手のこだわりが無競争(競争せずに勝つ)を生み出している」と書かれていて、なるほど!と思いました。
バカなる要素を見つける視点のヒントがウルトラニッチにありました。
書籍を読み、最近自分が意識するようにして良かったと思っていることがあります。
組織に1人は、その領域にとてもマニアックで、異常なこだわりをもっている人がいたりしますよね。
戦略をつくる前に、そのマニアックなつくり手にインタビューをします。
そして、そのマニアックなこだわりを顧客価値に反映させられないか?と強制発想をします。
プロダクトアウト発想を取り入れる
よくマーケットイン発想が大事だと言われる中で、あえてプロダクトアウト発想をもってみることで、新しい価値の作り方を模索してみます。
プロダクトアウトは悪だという文脈で語られがちなのですが…
顧客の潜在ニーズを掘り起こしいる取り組みは、プロダクトアウトから生まれていますよね。SONYやAppleも。
こちらの記事が、マーケットインとプロダクトアウトの考え方をわかりやすく整理されているので、是非読んでみてください。
つくり手のこだわりは簡単に模倣できない
ウルトラニッチの書籍を読んで、普通だったら面倒だからやらないことをやり続けている→誰も真似できない価値が生まれる…という優位性の生まれ方があることを理解できました。
ウルトラニッチ性とは、作り手の細部へのこだわりです。
この視点で組織資源を理解して、顧客接点への反映の仕方を考えるだけでも新しい切り口を見出せるのでは?
と考えています。
職人仕事を優位性へ変えている事例
最近見つけて、自分が愛用しているブランドの紹介です。
BIRDY. TABLEというタンブラーです。
一見は普通のタンブラーに見えますが、マイクロ研磨技術で内側が加工されていて、理想の炭酸の立ち上りが生まれる仕組みになっています。
0.1ミクロンもの精度とこだわりを持つ研磨職人の手によって作られていて、本当に炭酸の泡の立ち方が変わります。
このBIRDY. TABLEは、横山興業株式会社という金属加工メーカー(トヨタの下請け工場)から生まれていています。
この開発エピソードが、作り手の細部へのこだわりを独自性や顧客価値に変換する考え方だと思っています。
一見非効率だけど価値を生み出せるものに焦点を当てたから成功した事例ですね。
ちなみに、BIRDY.は一流のバーテンダーが使うブランドして地位を確立していたりします。
逆DX発想も大切に
アナログをデジタルに置き換えて効率化しようが考え方の主流ですが、アナログにこだわっているからこそ生まれる価値・優位性が何か?の視点で掘り下げるからこそ見えてくる価値がある。
・効率化した方が良いこと
・非効率だけど残したり研ぎ澄まして競争力に変えた方が良いこと
この2つのバランスをマーケティングに関わる人は忘れてはいけないと思っています。
そんなことをウルトラニッチの書籍を読み、プロジェクトの中でつくり手のこだわりに触れながら考えています。
最後まで読んでくださりありがとうございました!