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つくり手の中にある「一見非効率なこだわり」に目を向ける視点

優れた戦略には、「バカなる」の要素があると言われています。

良い戦略の条件
・競合は、「バカな!?」という反応をする
・市場が後から、「なるほど!」という反応をする

何回かnoteに書いていますが、『「バカな」と「なるほど」』の書籍は愛読書です。

しかし、この要素を仕事の中でどのように活かすのか?

が不明なままでした。意識することはできるのですが。

マーケターが「バカなる」要素を見つけるためには?

こんなことを最近考えていて、たまたま読んでいた本がこちら。

ウルトラニッチという本を読んでいて、「つくり手のこだわりが無競争(競争せずに勝つ)を生み出している」と書かれていて、なるほど!と思いました。

「ウルトラニッチなモノづくり」で、未知の市場を拓くヒントを届ける! この書籍では、小さな発見を起点に、これまでにないアプローチで市場を拓く新時代のモノづくりのパイオニア10人をピックアップ。スプーン作家、動物専門の義肢装具師、部品まで手作りする独立時計士など自らのアイデアと努力でウルトラニッチな市場を生み出した10人の足跡を紹介。

Amazonページより引用

バカなる要素を見つける視点のヒントがウルトラニッチにありました。

書籍を読み、最近自分が意識するようにして良かったと思っていることがあります。

■マニアックなつくり手の人にインタビューをする
組織の中で商品・サービス開発をしている人の「一見非効率なこだわり」は何か?

組織に1人は、その領域にとてもマニアックで、異常なこだわりをもっている人がいたりしますよね。

戦略をつくる前に、そのマニアックなつくり手にインタビューをします。

そして、そのマニアックなこだわりを顧客価値に反映させられないか?と強制発想をします。

プロダクトアウト発想を取り入れる

よくマーケットイン発想が大事だと言われる中で、あえてプロダクトアウト発想をもってみることで、新しい価値の作り方を模索してみます。

プロダクトアウトは悪だという文脈で語られがちなのですが…

顧客の潜在ニーズを掘り起こしいる取り組みは、プロダクトアウトから生まれていますよね。SONYやAppleも。

こちらの記事が、マーケットインとプロダクトアウトの考え方をわかりやすく整理されているので、是非読んでみてください。

つくり手のこだわりは簡単に模倣できない

ウルトラニッチの書籍を読んで、普通だったら面倒だからやらないことをやり続けている→誰も真似できない価値が生まれる…という優位性の生まれ方があることを理解できました。

自社にあるウルトラニッチ性を発掘すること

ウルトラニッチ性とは、作り手の細部へのこだわりです。

この視点で組織資源を理解して、顧客接点への反映の仕方を考えるだけでも新しい切り口を見出せるのでは?

と考えています。

職人仕事を優位性へ変えている事例

最近見つけて、自分が愛用しているブランドの紹介です。

BIRDY. TABLEというタンブラーです。

一見は普通のタンブラーに見えますが、マイクロ研磨技術で内側が加工されていて、理想の炭酸の立ち上りが生まれる仕組みになっています。

0.1ミクロンもの精度とこだわりを持つ研磨職人の手によって作られていて、本当に炭酸の泡の立ち方が変わります。

このBIRDY. TABLEは、横山興業株式会社という金属加工メーカー(トヨタの下請け工場)から生まれていています。

この開発エピソードが、作り手の細部へのこだわりを独自性や顧客価値に変換する考え方だと思っています。

工場内の大半を占める溶接やプレスの工程では、機械が主役だ。しかし、「バーディ」の生産ではほとんどを手仕事が占める。「手にしか出せない精度がある」と、横山氏はいう。実際に作業工程を見せてもらうと、熟練した技術者が確かに手仕事でシェーカーを磨いていた。手に持った研磨グラインダーの先には、歯の治療に使うような研磨パーツが取り付けられている。何種類もの研磨パーツを使い分けることによって、繊細な凹凸が生まれるという。

カクテルの聖地で輝く 3代目三河のエジソンの磨き技
横山興業 「バーディ」ブランドマネージャー 横山哲也氏(上)

一見非効率だけど価値を生み出せるものに焦点を当てたから成功した事例ですね。

ちなみに、BIRDY.は一流のバーテンダーが使うブランドして地位を確立していたりします。

逆DX発想も大切に

アナログをデジタルに置き換えて効率化しようが考え方の主流ですが、アナログにこだわっているからこそ生まれる価値・優位性が何か?の視点で掘り下げるからこそ見えてくる価値がある。

・効率化した方が良いこと
・非効率だけど残したり研ぎ澄まして競争力に変えた方が良いこと

この2つのバランスをマーケティングに関わる人は忘れてはいけないと思っています。

そんなことをウルトラニッチの書籍を読み、プロジェクトの中でつくり手のこだわりに触れながら考えています。

最後まで読んでくださりありがとうございました!

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