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新型コロナのワクチンを、私たちはいつ接種できるか?

村井英樹氏(自民)新型コロナウイルスワクチンの接種への決意は。
首相 17日には医療関係者への接種を開始したい。一日も早く、国民に安全で有効なワクチンを届けられるよう全力で取り組む。
岡本三成氏(公明)国民に不安がある。首相は率先接種をお願いしたい。
首相 私も高齢者なので、順番が来たら率先して接種したい。

2月12日、菅義偉首相は新型コロナウイルス対策本部で、ワクチン接種の時期について「有効性・安全性を確認したうえで、来週半ばには接種を開始する」と表明しました。14日の日曜日に田村厚生労働大臣が承認されたので、17日から接種が始まります。

菅首相は「できるだけ早く国民の皆さんに接種できるようしっかり取り組んでいきたい」と述べましたが、それでは私たちはいつワクチンを接種できるのでしょうか。

予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律が2020年12月9日に公布され、厚生労働大臣の指示のもと、都道府県の協力により、市区町村長において予防接種を実施することになっています。国、都道府県、市区町村レベルでそれぞれ役割が異なり、国はワクチンの確保がメイン、予防接種の実施の主体は市区町村になります。

すなわち、国がどれだけ「ワクチン接種しますよ!」「できるだけ早くしますよ!」と号令をかけようと、各市区町村の自治体がオペレーションを遂行できなければ掛け声倒れになります。ワクチン接種が早く終わるかどうかは、現場が鍵を握っています。

そうした現状を踏まえて、JX通信社は新型コロナワクチン接種の準備状況に関するアンケートを、全国の市区町村1,741の自治体に対して実施しました。2021年2月13日現在、662自治体から回答があったようです。

アンケートの結果、自治体の住民全員が2回ワクチンを受けると想定して、全員の接種が終わる時期に「年内には終わらない」を選んだ自治体は110と有効回答数の約23%を占めることが明らかになりました。

また、全員の接種が終わる時期として、東京オリンピックの開催が予定されている2021年7月より前の時期を選んだ自治体は12と有効回答数の約2%に過ぎませんでした。

図1

有効回答数662自治体のうち非回答152自治体を除く510自治体が分母

ちなみに、回答がもっとも多いのが「9月」です。高齢者へのワクチン接種が優先的に始まるのが「4月」ですから、少なくとも半年かかる大事業なのです。多くの自治体で「少なくとも半年以上はかかる」と見込んでいると分かります。

そもそもワクチンは、必要とされている集団免疫を獲得するために実施されるもので、そのためには人口の70%〜90%にワクチンを接種してもらう必要があります。この感じだと、人口の70%にまで到達するのに1年はかかるのではないでしょうか。

国の気持ちとは裏腹に、現場から「時間がかかる」という声があがっています。いったい現場では何が起きているのでしょうか。そこでJX通信社の実施したアンケートの結果を引用しつつ、新型コロナワクチン接種の準備状況について現状を報告します。


接種会場、接種を担当する医師・看護師の準備状況

新型コロナウイルスのワクチン接種に必要なのは、「ワクチン」だけではありません。接種するための会場、そして接種を担当する医師・看護師も必要です。これらは各自治体が調整する必要があります。そこで、調整がどれほど決まったかを聞きました。

図2

有効回答数662自治体のうち非回答4自治体を除く658自治体が分母

図3

有効回答数662自治体のうち非回答12自治体を除く650自治体が分母となる

ワクチンを接種する会場が「すべて決まった」と回答した自治体は、わずか約8%でした。また、接種を担当する医師・看護師が「すべて決まった」と回答した自治体はさらに減って、たった約3%でした。

ちなみに、両方とも「すべて決まった」と回答した自治体は12のみ、約2%です。逆に、両方とも「まったく決まっていない」と回答した自治体は135、約21%もあります。

ちなみに、接種会場として想定している施設でもっとも多いのが市民会館などの公共施設、次に病院・診療所、そして体育館などの学校施設だと分かりました。どうやら公共施設と病院・診療所を併用する自治体が多いようです。なかには営業中の商業施設や空き店舗の一部を間借りして会場とする事例も確認できました。今後さらに接種会場の拡大や、医師・看護師の増員も考えられます。

それにしても、ワクチン以外の、その他の補給は現場がなんとか都合を付けろ、というのも酷な話です。それならば、せめて詳細なスケジュールやワクチンが届く時期、供給量など適切な情報共有があってしかるべきですが、ほとんど「情報が降りてこない」ようです。12日までにワクチンは承認されていないから、という建前もあるかもしれませんが、それで現場が混乱することを良しとしてもいいのでしょうか。


65歳以上のワクチン接種開始時期

三重県津市の作成した「接種スケジュール図」が分かりやすいので、こちら引用します。

スクリーンショット 2021-02-13 18.44.45

新型コロナウイルスのワクチン接種について、国は65歳以上の高齢者向けの接種開始時期を「4月以降」としています。そこで、各自治体では実際に4月以降にワクチンが接種可能かを聞きました。

図4

有効回答数662自治体のうち非回答8自治体を除く654自治体が分母となる

「可能」と回答した自治体は、半数を超えて約56%でした。

もっとも、ワクチンを接種する会場や接種を担当する医師・看護師が「すべて決まった」「一部決まった」と回答している割合から考えると「完全では無いけれど、とりあえずは始められる」ような状況ではないかと推察されます。

実際、「可能」と回答した自治体のうち、ワクチンを接種する会場が「まったく決まっていない」と回答した自治体が40で約6%、「一部決まった」と回答した自治体が274で約43%を占めます。また、接種を担当する医師・看護師が「まったく決まっていない」と回答した自治体が121で約19%、「一部決まった」と回答した自治体が219で約34%を占めます。

これらの結果から、4月から接種が「可能」なのは実質的に「宣言」「意気込み」のようなものであって、裏付けとなる人や場所の確保がままならないことが明らかとなりました。

ちなみに、「遅れる可能性がある」「まだわからない」と答えている自治体も、最遅で6月ごろには始められるのではないかと回答しており、この数ヶ月で急速にオペレーションが確立されていくのだとは考えます。


どうすればワクチン接種を受ける時期は早まるのか

冒頭で紹介した通り、住民全員が2回ワクチンを受けると想定して、全員の接種が終わる時期に「年内には終わらない」を選んだ自治体が110で約23%を占めます。

図1

有効回答数662自治体のうち非回答152自治体を除く410自治体が分母

遅くとも6月にはワクチン接種が始まるのに、なぜ「半年以上かかる」という声が多く出ているのでしょうか。その理由として、情報提供の不十分さ故にスケジュールを詳細に落とし込めないからだと考えられます。

自治体からは「ワクチンがいつ届くのかわからない」「ワクチンの供給スケジュールが知らされていない」といった時間に関する問題、「ワクチン接種円滑化システム(VーSYS)の操作方法がわからない」といったシステムに関する問題、「報道で詳細を知る」といった情報連携に関する問題、その他にもワクチン自体の説明、補助金に関する説明、集団接種のレイアウトが現実的では無いなど、多種多様な自治体の声が寄せられました。

こうした諸問題を抱えたまま、新型コロナウイルスのワクチンをつつがなく接種し終えることは、相当難易度の高いオペレーションではないかと考えます。

日本は先進国(G7)と比較して感染を抑えられているものの、唯一、ワクチン接種が始まっていない国でした。コロナ禍を一刻も早く終息させるために、集団免疫を獲得する必要がありますが、ワクチン接種が遅れれば遅れるほど、終息も遅れるのです。

今回のアンケート結果を踏まえて、東京オリンピック開催までにワクチン接種の割合をどこまで高められるか、様々な有識者が知恵を絞る必要があるのではないでしょうか。少なくとも、この現状を「仕方がない」とスルーしてしまうと、東京オリンピック開催はおろか、第4波や第5波を迎えることになりかねません。


ワクチン接種を受けられる時期をAIで予測する

ワクチンの接種は、自分の住民がある自治体で受けられます。私の場合は諸般の事情で大阪市に置きっぱなしなので、大阪で受けるでしょう。

ただ、こうした状況を踏まえると「ワクチン受けられるの、いつだ…」と不安になります。と同時に正確な状況を知っておきたいとも感じます。

そこで!

JX通信社が運営する速報ニュースアプリNewsDigest内で、全国民の新型コロナワクチン接種スケジュールをAIで予測する「新型コロナワクチン接種予測」機能を開始しました。

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iPhone 版 : https://itunes.apple.com/jp/app/id950527505
Android 版:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.newsdigest

本機能は、データサイエンスを専門とする米イェール大学助教授で半熟仮想株式会社代表の成田悠輔氏の監修のもと共同開発いたしましたです。

図5

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(画面イメージ)

生年月日、住所などのいくつかの条件を入力するだけで、おおよその接種時期が分かります。例えばこんな感じ。(実際にはより詳細な結果が分かります)

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今後、実際にワクチン接種を受けた人のデータ提供を受けるなど、機能の拡張を準備しています。予測結果も新たな情報やデータをもとに定期的にアップデートしていく予定です。結果の確認は一度きりではなく、時間をおいて繰り返しご確認いただくことをおすすめしています。

皆さんも、1度触ってみてください。

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