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少子化と、学校現場や大学受験の変化

「日本では少子高齢化がこれからどんどん進んで行きます。」
30年以上前からずっと言われ続けてきたことですが、実際に少子化が進んだとき社会全体や学校現場でどのような変化が起きるのか、私自身具体的なイメージを持てないまま大人になってしまった気がしています。
実際に、東京都が出しているデータを見ても小学生の数が今後減っていくのが見え、特に令和11年度に入学する新小学1年生(現1歳)の数については現在の小学1年生と比べ、およそ8割程度の人数にまで激減するだろうという推計もされています。

公立小学校1年生児童数は減少し、本年度実数である96,009人に比べて、令和11年度は17,212人減の78,797人となる見込みである。
公立小学校1年生児童数は減少し、本年度実数である96,009人に比べて、令和11年度は17,212人減の78,797人となる見込みである。

子どもの数が減っていくことが現実のものなのだとして、強く実感するのが「入試」に関わる業務を行う際です。
子どもの数が減ったこともあり、私立の中学受験については学校がいかに子どもの学力を伸ばしてくれるのかという部分だけではなく、学校でできる体験やキャリア教育など学校が提供できる「付加価値」のような部分は何なのか。そう言った部分をしっかり見た上で受験を決める受験生・保護者が年々増えてきていると感じます。
そうした観点から、中学入試にも国語・算数・理科・社会といった「入学するまでの学力」を測る試験だけではなく、インタビューやレポートなど人物評価を取り入れることで「入学してからの学力」を測る試験も少しずつ併用する学校も出始めています。
受験生が第一志望としている学校でやりたい学びを追求するという視点も、少子化によって学校現場が変化したひとつの大切なポイントではないかと感じます。

先日とある大学を訪問した際、一般受験を経て不本意で入学した学生と、年内入試(推薦や総合型選抜など)を経て第一志望で入学した学生とでは在学中の成績の伸び方が大きく違うと伺いました。
特に私大一般入試のように主要3教科の学習を(ある程度の期間)瞬間的に頑張れば入学できることよりも、高校時代に部活動などのびのびとやりたいことを追求し、その上でさまざまな教科での学習を継続的に頑張り、総合的に優秀だと高校が推薦する学生達を早めに確保したい大学は今後ますます増えるだろうとその大学の先生は話します。

それぞれの学校現場で少子化に対応するため、また学校として生き残っていくために様々な取り組みがなされ始めています。「少子化と学校」という視点で学校で行われている授業の様子や、クラスでの取り組みについてご自宅のお子さんを通じて聞いてみると、また新しい発見があるかもしれません。

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