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リアルでマッチングされない人がマッチングアプリでマッチングされるわけはない

こんなニュースが先日ツイッター(X)のトレンドになって話題となっていた。

この記事に対してつぶやいたのが115万以上のインプレッションになってしまった。https://twitter.com/wildriverpeace/status/1687048809682223105

マッチングアプリは単なるプラットホームの提供でしかなく、そこに誰がいるかや何の目的でいるかまで保証してくれません。まず、前提としてマッチングアプリにはどういう人たちがいるかを把握しておくことが必要です。

見も蓋もない話だが、マッチングアプリなんて所詮ヤリモクの恋愛強者男が、恋愛経験ない上に結婚を焦る恋愛弱者女を食い物にする場であってそれを見抜けないレベルが手を出す代物ではない。

こちらの記事に詳細は書いたが、

マッチングアプリ利用で実際に相手に会ってる男性とは「恋愛に自信があり恋愛に能動的で浮気経験があり自分の容姿に自信がある」恋愛強者男性です。一方、女性は「恋愛に自信がなく恋愛に受動的で自分の容姿に自信がなく自己肯定感が低い」女性が多い。つまり、マッチングアプリを通じて出会うのは主に恋愛強者男性と恋愛弱者女性です。 これがどういう結果を生むかというと「あまり恋愛経験のない、結婚相手を探して焦る婚活女性たち」という獲物を求めて、既婚の不倫目的も含む肉食の恋愛強者男性が自由に行動できる刈り取り場となっているということです。

何度も言っていることですが、マッチングアプリは街のナンパのデジタル版でしかないので、リアルでモテない男が使っても無意味だし、使いたきゃ使ってもいいけど本当に時間と金と精神をすり減らすだけだからやめておけ。ちなみに、恋愛強者女はアプリにはいない。いても秒でマッチングしていなくなる。

つまるところ、マッチングアプリ系(婚活アプリも含む)は、圧倒的多数の恋愛弱者男たちを集客しないと成り立たないビジネスモデルなのだから、そりゃあ「マッチングアプリでこんな女性と出会える・結婚できる」というに決まっている。

かつて漫画雑誌の表3ページに出ていたこんな胡散臭い広告のように。

マスコミもメディアもこれらの業者が広告主だから面と向かって批判とかは絶対にしない。どこのメディアとはいわないが、「マッチングアプリの功罪」について書いた原稿は、それがたとえ事実であっても「功はいいけど罪は困る」とか忖度するところもあった。まるで広告屋みたいなことをいう。

どこぞの家族社会学者や某生保系シンクタンクの何某は、アプリ業者にはした金で雇われて提灯記事を書く有様。まあ、資本主義下のマーケティングなので別にそれ自体は批判しないし、ご自由にどうぞという話だが、少なくとも将来マッチングアプリが婚姻数全体を底上げするなんてことはまずないだろう。

「いやいや、マッチングアプリで結婚しているカップルは増えている」と反論する奴もいるが、確かにそれで出会って付き合ったり結婚するカップルの実数が増えているのはその通りだろう。しかし、その内訳をよく観察すれば、マッチングアプリがなくても結婚した人たちが、便利なツールのアプリでたまたま出会っただけに過ぎない。そもそもマチアプ婚が増えたとかいうけど、婚姻の絶対数は減り続けている。より厳密にいえば、マッチングアプリは婚姻数の中での比率を高めることがあっても、婚姻数そのものを増やすことには寄与しない。

それについては東洋経済の記事に書いた通りである。


にもかかわらず、一部の自治体は、マッチングアプリ業者の浮ついたプレゼンに感化されてこんな提携とかしているわけです。

もちろん中には真面目な業者もあるが、そうじゃない単に公金チューチュー狙いの業者もいる。こういうのにも国や自治体の補助金は使われている。

話はズレるが、最近たまに永田町の議員会館などにお呼ばれすることがあるのだが、そのたびにロビーで籠池夫妻みたいな人達にやたら出会う。見てくれが似ている人達ではなく、話の内容を漏れ聞くに「補助金狙いの人達」である。どの政治家にどう頼めばいいかみたいな話をずっとしている。そういう人達がこんなに大勢いるのかと思ったものだ。

こども家庭庁の令和5年度当初予算案では、地方自治体に割り振られる予算である「地域少子化対策重点推進交付金」予算が100億円となっている。手間までの40億から大幅増だ。この100億円を狙って、多くの籠池夫妻もどきが議員詣でを続けて稲のだろう。

地方の自治体が少子化対策として婚姻増加を図ることは間違っていない。出会いのない地方の人達に機会を用意することは否定しない。しかし、それは官製婚活をやったからとかマッチング業者に金を払えば実現されるとかいうものではない。若者が結婚しない本質的な要因は何か、特に地方では若者がどんどん流出してしまうのはなぜかという部分に向き合わなければ解決できないだろう。


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荒川和久/独身研究家・コラムニスト
長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。