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仮想通貨もアンジェス株も典型的なバイアス理論が当てはまるかもと思案した話

みなさま、こんばんは!
エコノミストの崔真淑です。

昨晩は、BSスカパー「水曜日のロバートソン」のスタジオ生出演でした。通常はSkypeで中継させて頂いているのですが、臨時スタジオ出演となりました!その理由は、ぜひオンデマンドで確認して頂けたらと思います!

*投資のための価値評価軸

写真は昨年のスタジオ生出演のものです。毎回、番組内では、イラストレーターでタレントの安住さんと共に仮想通貨界のパトロールとして、仮想通貨に使われるテクノロジーがどのように世界を変えうるのか、またその仕組みを経済学の目線=「世の中の効率性」で、世界にどんな影響があるかをトークしています。
そして、この仮想通貨は株価のように、共通認識の価値評価の軸や理論がまだ確立されていなというのが自身の認識です(一部の数理ファイナンスの研究者の方々が、仮想通貨の理論価格を見つけた!とも聞きますが‥)。
で、このような価値判断が難しい投資対象は、テレビ東京や日経CNBCの番組でも言及させて頂いている株式市場でも存在するなと日々感じます。例えば、最近なにかと話題のバイオ株の、アンジェスやサンバイオ。条件付きで遺伝子治療薬が販売承認されそう、臨床実験段階だけど次のフェーズに行くかも‥等々、期待でこんなに株価が変化するのかと‥。
この手のファンダメンタルという企業価値指標で判断しにくいものに対しては、マーケット参加者は「需給で動いているだけっしょ!」との声も聞きます。ここでいう需給というのは、売りたい人と買いたい人の資金状況やその他の状況のバランスを表しています。でも、「需給っしょ!」だけでは、次の投資機会に活かしにくいし、何か汎用性がある人間の行動理論はないかとモヤモヤしている自身だったのです‥

*アンジェス株とサンバイオ株
いろいろ思案して感じたのは、アンジェス株とサンバイオ株という上記の動きは行動経済学の視点で分解すると、何か汎用性のある形に昇華できる可能性がないかなと思ったのです。特に、行動経済学でいう「Favorite Long-shot Bias (穴馬バイアス)」でうまく説明できる可能性を感じたのです。(とはいえ、行動経済学は自身はまだまだ修行不足の領域なのでサーベイ不足ですし、ここでは可能性について記載しています。)
というのも‥ サンバイオ株が急落した時期とアンジェス株が急騰した時期が重なっており、両社ともバイオ業界で企業価値算定が難しく、激しい急騰急落も似ている形状をしていたこと、更には両銘柄共に個人投資家が多く売買していたのです。なので、タイミング的にもサンバイオ株で急落した損失分を取り戻すために、アンジェス株の一か八かの急騰に賭けたいという、まさに上述バイアスのようなメカニズムが影響しているのではと感じたのです。

*Favorite Long-shot Bias (穴馬バイアス)」とは?
「的中率が低払い戻し倍率が高い賭け」に対して異常な選好を見せ、「的中率が高いけど払い戻し率が低い賭け」に対しては異常に避ける状態を指します。
McGlotlin (1956) では、収支が赤字の人が、オッズが相対的に高いレースで賭けて収支をプラスにしようとすることを指摘しています。
さて、本当にそれによる説明力があるか、因果関係の特定に機能するかは見定める必要があります。しかし、仮想通貨でも株式市場でも、その変動要因を需給要因と聞くたびに縁がない世界と遮断するのでなく、自分なりのアプローチ方法がないかを考えるきっかけになった気がします。

今日もよんでくださり、ありがとうございます!
引き続き何卒よろしくお願い致します!
応援ありがとうございます!

崔真淑(さいますみ)



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