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超低金利で失ったもの

「さらに低金利が登場」「上乗せ金利なしでこの保障」……。ネット広告や街中の金融機関の店頭広告には、住宅ローンの客寄せキャッチコピーが並びます。いまでこそ普通の風景になった超低金利。自宅や投資用不動産の購入を考えている人には恩恵がある一方、お金を預けてもほとんど利息を受け取れないデメリットもあります。生活者には見えてこない副作用も社会の一部で起きているようです。

新コラム底流の「ゾンビを甘やかす日銀」は、表にはでてこない隠れた社会の動きを読み解いています。コラムでは「金融緩和であふれた資金が本来は退出を迫られるべきゾンビ企業を甘やかしているとも言える」と指摘。生産性が低く市場から退出すべき企業が生き残り続けられる理由を丁寧に解説しています。「秩序の崩壊」とも表現しています。

コラム「底流」は原則金曜日に公開します。ニュースの裏側や隠れた視点、次の展開を読む動きを紹介します。

今回の底流は、超低金利の長期化が企業に及ぼす副作用を解説しています。一方、日銀の一連の金融政策で、金融機関の動きにも異変が起きています。コラム「日銀ウォッチ」はマイナス金利政策の「抜け道」が活気づいていると紹介しています。

銀行が列をなして学生支援機構へ融資しているという動きです。本来なら、本当に資金を必要とする成長性のある企業に資金が行き渡る必要があります。記事では「リスクが小さく、銀行にとって便利な借り手に貸しているだけだとしたら、話は違ってくる」と銀行融資の中身の重要性を訴えます。

新聞紙面上のニュースの裏に何があるのか、表面には出てこない社会のうねりを丹念な取材でえぐり出す「底流」は、ニュースの裏側を深く理解したい人に必見のコラムです。

(デジタル編成ユニット 島田貴司)