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インテリアの色の選択に潜む「内なる保守性」を壊そう!

インテリアの色を考えるのって、結構、保守的になりやすいと思います。白の壁を基調とすると、どうしてもミニマリズム志向の罠にはまります。無駄を省こうとすれば、なおさら色への挑戦はしづらくなる。

来月、引っ越しをするので新しい家具などを選びながら、自分の内に潜む「保守性」に気づかされます。

例えば、白い壁に白系統の大理石にどのような生地のソファが良いか?黒いピアノを壁によせておくと、白と黒のコントラストが強すぎないか?悩みは尽きないばかりでなく、家族のなかでも趣味は違います。

2週間前、ぼくは友人のインテリアデザイナーに新しい家に来てもらい相談にのってもらいました。

そこで言われたのは「色は挑戦的に選択した方が良い」です。

彼にソファの生地の色見本を見せながら、「テーブルの色は赤で、ここに60年代のデザインの照明器具をおくのは決めてあるんだけど」と話していると、彼は外からの光が青みを帯びているのに気がつきます。

「そうだ、あの光を活かそう!」

それまでややグリーン系統やオレンジ系統のテキスタイルが候補だったのが、一気にブルー系統に振ることになりました。そして、他の家具もブルー系統、白い壁と黒いピアノのコントラストはブルーの絵画で中和させると良いとのアイデアが次々と出てきました。

なるほど。

実際、モノの形状よりも色の方が存在感が強いことを痛感させられます。

先週末、彼が勧めていた(ミラノから北西に50キロほどにある)ヴァレーゼのヴィッラ・パンツァを訪れ、あっ!です。

1700年代の貴族の田舎の館に20世紀、ジュゼッペ・パンツァが北米のアーティストたちを滞在させ、その空間に合わせた作品を創作してもらったのです。そう、外や内の光を意識しながら。

1700年代の建物は幾何学的な庭園に囲まれている

ここの家具は1800年代、しかし絵画は20世紀なのです。

赤いソファーとグレーの絵画
ビリヤード台のグリーンやカラフルな玉とグリーンとイエローの絵画
ブラウン系統の家具と黒とブラウンのアート作品

そして、外の庭園とインテリアにある作品とも繋がっています。

外と内がグリーンを通じてつながる

窓と窓の間も壁にあるグリーンの作品で橋渡しされています。

窓に挟まれた壁が生きている

過去、このような古い建物のホテルに泊まったり家を訪れた経験から、ぼくはこのタイプには「冬は寒そうだなあ」と思うのが常なのですが、この館では一切、そういう想像をしなかったのですね。これは珍しいです。

多くの場合、1700-1800年代当時の風景画やゆかりのある人の自画像などが壁にあり重厚な世界をつくっています。しかし、それらの美術作品と自分自身と体感温度を紐づけてみることはありませんでした。

だが空間に基づいた前世紀のアート作品は、このような「寒さへの恐怖」を実際以上に払拭してくれるのではないかと感じたのでした。

ヴィッラ・パンツァで色の使い方についてものすごく学びました。言うまでもなく、ぼくが対象とするスペースはここと比較にならない小さな小さなスペースです。

それでも外の風景や光を考慮してインテリアの色を決めていくアプローチは真似していきたい。強くそう思いながらミラノに戻りました。



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