2020年に向けて予習:ドイツ、アニメイベントの歩き方
筆者はドイツのアニメファンイベントに注目して今年で20年となります。当初はただの参加者でしたが、ここ10年くらいは様々な企画に協力しています。日本に向けた情報発信も行っており、日本の方から様々な質問、相談を受けることがあります。今回は、その中でも最も多い相談内容となる、
「いつ行けばいいの?」
という問いを中心に考えてみたいと思います。相談者は、一般参加してみたい個人の方や、ブース出展してみたいクリエーターの方、視察したいという企業の方など様々ですが、筆者からの答えはいつも同じです。
「いつでも来てください!」
2019年は現在までに主要なイベントをざっと数えただけでも、22イベントありました。単純に平均すると毎月2回、どこかでイベントが開催されていることになります。毎月2回ということは2週間に一度の頻度と言ってもいいでしょう。
それくらいは聞いたことがある!という方に紹介したいのは、イベントの探し方です。これも非常に簡単な答えで恐縮なのですが、
「アニメックス」のイベントカレンダーを使ってください
と言うようにしています。「アニメックス」はドイツ語圏で最大のアニメ漫画ファンポータルで登録会員数は10万人を超えます。実はこのポータルのイベントカレンダーが非常に有能なのです。開催規模で絞り込み検索ができるほか、アニメイベント以外の日本に関連するイベントも網羅しています。
例として来年2020年の4月から7月あたりまでのイベントを見てみましょう。(以下のスクリーンショットを参照)
ミュンヘン、デュッセルドルフ、フランクフルト、ポツダム(首都ベルリンの隣)で大規模なイベントが開催されているのがわかると思います。このイベントカレンダーでは、「5000+」というカテゴリーが最大となります。各項目にはそれぞれのイベントHPへのリンクも掲載されています。スケジュールに合いそうなイベントがあればぜひ詳細を見に行ってみてください。
「アニメックス」のイベントカレンダーへのリンクはこちらになります。ぜひ活用してみてください↓
とはいっても、スケジュールの都合だけでなくイベントの内容も重視したいという意見も多いのも事実です。今回は、
2020年前半の主要なイベント
についてそれぞれコメントしてみたいと思います。
・2月8、9日:エピックコン(ミュンスター) 日本のアニメ漫画と欧米のゲームカルチャーの融合を目指したイベント。招待ゲストはコスプレイヤー中心。
・2月21-23日:デデコ(ドレスデン) ドイツ東部で勢いのあるイベントのひとつ。市と協力した市内コスプレ撮影ツアーあり。
・3月12-15日:マンガコミックコン(ライプツィヒ) ライプツィヒ書籍見本市と併催される大型イベント。
・4月4日:アニマハロ(ロストック) ドイツ東部、ハンザ同盟で栄えた港湾都市ロストックの観光と絡めてみるのもありかも。ただし小規模。
・4月17ー19日:アニムク(ミュンヘン) 南ドイツ最大のアニメファンイベント。開催地はミュンヘン市外の近郊の町。元修道院が会場。
・5月8-10日:アニメマラソン(ケーニヒスルッター) 参加者の年齢層が高めの古参イベント。まったりと交流したい方におすすめ。(参考:「年齢は関係ない」――アニメファンを「卒業」しないドイツの大人たちに会ってきた)
・5月9ー10日:ハナミ(ルトヴィクスハーフェン) マンハイム、ハイデルベルクなどライン・ネッカー地域の主要ファンイベント。
・5月16日:日本デー(デュッセルドルフ) 町が会場となる欧州最大の屋外無料イベント。非常に混雑するイベントとしても知られる。日本文化全体がテーマだがアニメファンも多く集まる。
・5月23、24日:ドコミ(デュッセルドルフ) ドイツのコミケを標ぼうする単独開催ではドイツ最大のアニメファンイベント。(参考:これが“ドイツのコミケ”だ 特大ファンイベント「ドコミ」に行ってきました!)
・6月13、14日:ヴィー・マイ・カイ(フレアスハイム) 近接するヘッセンの州都ヴィースバーデンとラインラント=ファルツの州都マインツのエリアのイベント。
★このほか7月には、フランクフルトのコスデイ、ベルリン・エリアのアニメメッセ・ベルリン(ポツダム)、マンハイムのアニマジックなども開催。
長々とリストアップしてしまいましたが、いかにイベントが多いかを感じ取っていただければと思います。
最後に、
ドイツのアニメイベント訪問のヒント
として、アニメ・マンガファン的な観光プランの追加をお勧めしておきます。ドイツにはアニメやマンガに登場するまたは参考となった町や城がいくつか存在します。「ドイツ木組みの家街道」に連なる町に行けば、木組みの家が立ち並び、それだけで近年流行を極める「異世界もの」の舞台を感じられます。いわゆる「アニメ聖地巡礼」も旅の醍醐味となるでしょう。
今回は以上です。皆さんのドイツ訪問がより有意義になれば幸いです。
おまけ:異世界を感じられる場所としてフランクフルト近郊の町イットシュタインに行った時のツイートを引用しておきます。参考までに。
★タイトル写真は、カッセルで開催される「コンニチ」で撮影したコスプレイヤーの皆さん。