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金融規制の強化がされやすいタイミングとは? AI運用・アルゴリズム取引…

 みなさま、こんにちは!エコノミストの崔真淑(さいますみ)です。

 最近、国内金融市場への規制ついて話を聞く機会が増えたように感じています。例えば、AI運用の規制、アルゴリズム取引による高速売買などへの規制強化です。更には、株式市場のような直接金融だけでなく、間接金融の銀行業界への再編促進や貸出用途への当局による影響も増している気がします。あくまで肌感覚ですが… 仮に規制強化や規制緩和のタイミングやトレンドが存在するならば、どんな要因があるのでしょうか?そのヒントとなるのが、下記のFinancial Timesのコラムです。

 このコラムで興味深いのは下記の部分です。規制強化や緩和への政治要因の影響を示した文献を紹介しています。そして、国家マネジメントに影響力を持つ業界が存在しうることを示しているのです。米国では、金融業界の資金力が大きく、最近のFRBの動向や、金融制度の緩和にも影響している可能性が指摘されています。

米国の政治献金情報を公開しているオープン・シークレッツによると、18年の米中間選挙では金融・保険・不動産の3業界(この3者は互いに密接に結びついている)による政治献金が最も多く、全体の7分の1に達した。これは、経済学者マンサー・オルソンが著書「集合行為論」で指摘した、一部の構成員の利益の増進が全体の利益に優先される典型例といえる。

では日本ではどうでしょうか? 最近の銀行業界は、あまり元気な話は聞きません。Fintechによるデジタル企業の金融業界の進出。更にはマイナス金利による収益への影響。証券業界では、手数料0円企業の登場などでリテール再編の波、手数料ビジネスの在り方の議論…と、既存企業には嬉しくないような、まさに創造的破壊が起きていると思われる状況です。

  そこで思った仮説は、

「日本は(米国とは逆に)既存の金融業界全般で勢いがないことが、規制強化や当局の影響力を増させている背景にある」

 です。デジタルの波は、もしかしたら更なる当局による影響力や規制強化が通りやすい環境を作ることになるのかもしれません。

この辺り引き続きウォッチしていきたいです。

今日もよんで頂きありがとうございます!引き続き応援よろしくお願い致します!

崔真淑(さいますみ)


 


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