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未婚も既婚も「働く大人たち」が働けない人たちを支える社会へ

以前、読売新聞朝刊で紹介された僕のインタビュー記事がヤフーニュースにもなりました!

少子化や人口減少は不可避です。こういうと顔を真っ赤にして怒る御仁がたくさんいるんですが、誰が何をしようと日本の人口は2100年には6000万人になるんです。だとするならば、人口が減っても独身が5割になっても大丈夫な適応戦略を考えるべきだと思います。それなのに、いつまでも「ソロvs既婚者」の対立構造を続けていても不毛なだけです。

ぜひご一読ください。

未婚や子無しを許さない人というのは、人口減少を危機だと感じているからです。人口減少を危機としてしまうのは、人口が増え続けなければ繁栄がないと考えてしまうからです。それこそ大きな間違いです。

そのため、闇雲に人口だけを維持させようと移民とか言い出すのですが、ピントがズレていると言わざるを得ません。

そうは言っても、このまま少子高齢化が続けば、現役世代である15-64歳人口比率が下がって、増え続ける高齢者を支え続けられないではないか?

そう言われます。が、果たしてそうでしょうか?

内閣府「平成30年版高齢社会白書」によれば、65歳以上高齢者1人に対する生産年齢人口(15~64歳の者)は、2015年の2.3人から、2065年には1.3人へと激減します。現役層1人がほぼ1人の高齢者を支えるということです。

しかし、この計算には大事な視点が抜けています。支えられるべきは高齢者だけではなく、0~14歳の子どもたちも含めないといけません。子どもたちを含めて計算すると、すでに2015年時点で1.5人の生産年齢人口が年少+高齢人口を支えないといけないことになります。これが「生産人口依存指数」です。

しかし、よく考えれば、15~64歳までの全員が働いているわけではありません。進学率も高まり、15~19歳は8割以上が無業者です。25歳以上でも何らかの健康上の理由で働けない人もいるでしょう。生産年齢人口という年齢属性でみるのは無意味なのです。

大事なのは、有業者が無業者(子どもや高齢者および現役層であっても病気などの理由で働けない層含む)をどれだけ支えられるかという視点です。つまり、15~64歳の人口ではなく、子ども含む無業者1人をどれだけの有業者が支えないといけないかという「有業人口依存指数」の視点の方が大事なのです。

「有業人口依存指数」の計算式は以下です。

(15歳以上有業人口)÷(全年齢無業者人口)×100%

それによれば、生産年齢人口依存指数は、頂点の1990年代頭のバブル期と比べて確かに半分以下に激減します。高齢者人口比率が上がるわけですからそれは当然です。

一方、有業人口依存指数でみると、1950年代から現在に至るまで、むしろ増えていることがわかります。頂点は、生産人口と同様バブル期ですが、それでも無業者1人を1.1人の有業者が支えていたことがわかります。それ以前の1950~1980年代にかけては、有業者1人が1人以上の無業者を支える社会であり、むしろ昔のほうが有業者にとって負担の大きい社会だったことがわかります。

今後、各年齢別の人口減少推計にあわせて、2017年時点の年齢別就業率が同等で推移すると仮定すると、総人口がたとえ半減して6000万人になっても、有業人口依存度はほとんど変化しません。

つまり、人口の絶対数は減っても、支える人と支えられる人のバランスは均衡を保つと言えるのです。

単純に年齢構造だけで判断するのではなく、働く1人が(何らかの理由で)働けない1人を支えればいい社会だと視点を変えてみる。すると、夫婦ならば子ども2人を支えられるということですし、子のない夫婦は見ず知らずの誰か2人を支えています。独身者なら働くことのできない高齢者などを1人支えているということになります。

ここでいう支えるとは直接的に支えるということでありません。働いて、税金納めて、消費をすること自体が、誰かを支えていることにつながるのです。

もちろん有業者それぞれ一人一人の収入額も税支払額も異なります。高齢者と若者の働きとを同列に扱うのも無理がありますが、少なくとも仕事の有無関係ない生産年齢人口指標よりは意味があると考えます。

ソロであろうが、既婚であろうが、子がなかろうがいようが、血がつながっていようがいまいが、同居していようがいまいが、私たちは、仕事や消費という行動でつながっているし、巡り巡って誰かが誰かを支えていると言えるのです。互いにそう信じあえる社会であってほしいと思います。

無意味に対立し、対立した相手を悪だと言って叩きあうより、よっぽど有意義だと僕は思います。但し、自分の考えを押し付ける気はありません。そう思わない人は別に思わなくても結構です。考えがどうあろと、働いて消費してれば、自動的に誰かを支えているんだから。

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荒川和久@「ソロエコノミーの襲来」著者

4月8日に新刊「ソロエコノミーの襲来」が発売です! 「超ソロ社会」「結婚しない男たち」も引き続き。東洋経済等でコラム執筆したり、テレビ・新聞によく出ます。独身研究家として活動させていただいてます。メディア出演・執筆・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージからお願いします。

それ、幻想かもよ!

本当の自分とか幸せとか、そういうのって全部幻想かもしれないよ。
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