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インフレに強いギグワーカーの働き方とフリーランス職種

JNEWS編集長(井指 賢)

 米国では、急速なインフレによる生活費の不足分を補うため、最低賃金水準で働く労働者の多くが、複数の仕事を掛け持ちするようになっていることを各メディアが報じている。ワシントンポストの記事によると、Uber、Lyft、DoorDashなどのギグワーク・プラットフォームは、いずれもインフレが人材採用面でプラスに作用している。UberやLyftのライドシェアサービスに新規登録するドライバーは、1年前よりも75%増えた。※ただし、ライドシェアのドライバーはガソリン価格の高騰により以前よりも実収入は下がっている。

個人向け金融商品の情報提供を行う Bankrateが行った調査でも、本業の他にサイドギグ(副業)を行う人の目的は、41%は毎月の生活費を支払うことと回答している。副業で稼げる収入は、月額200~500ドルが中央値となっており、副収入を貯蓄に回せる人は、いまでは少数派になっている。世代別にみると、若い世代ほど副業の実行率は高いが、月額収入でみると50代後半~70代のベビーブーマー世代の中央値が最も高い。これは、サイドギグに対して熱心で、勤務できる時間も長いためと考えられる。

Side gig income becomes more critical(Bankrate)

ギグワークの中でも、報酬単価がアルゴリズムによって決められているものと、スキルや経験に応じて自分で単価を決められるものがあり、後者の働き方はインフレ対策としても強いと捉えられている。具体的には、Upwokの中で受発注される中でも需要の高いフリーランス職種である。Upwokには世界100ヶ国以上から1400万人の登録があり、その25%は常時リモートワーカーとして働いている。

Upwok全体の受発注総額は10億ドルを超しており、平均時給は20ドル前後だが、専門分野で熟練したフリーランスの平均時給は28ドルとなり、米国労働者の平均時給(中央値)約18ドルを上回っている。

How Much Can Freelancers Make in 2022?

フリーランスの時給は、仕事を受注している時にしか発生しないため、雇用されている労働者の賃金と単純比較することはできないが、仕事時間を集約して高い単価で働けるため、サラリーマン時代よりも年収が増えた人の割合は60%を超している。さらに通勤にかかる費用(ガソリン代など)、服や靴の購入費を節約できること、毎日の通勤が無ければ大都市に住む必要も無く、住居費も安く抑えられるため、フリーランスは生活費の高騰に対しても強い働き方としても注目されるようになっている。

Upwokの調査によると、企業が長期的なリモートワークを導入して在宅勤務する社員が10%増えると、フリーランスの採用数が1.6~2.6%増加することが明らかになっている。リモートワークに慣れた会社は、新規の人材を社員として雇用するよりも、フリーランスに仕事を発注したほうが専門性や生産性が高いことに気付いており、デザイン、マーケティング、コンピューター関連の職種では、労働者全体のフリーランス率が50~70%を超してきている。

プルデンシャル ファイナンシャル社の調査でも、パンデミックによって労働者は自分の仕事に何を求めるかを再考して、「稼げる仕事」「キャリアアップできる仕事」「自分が幸せになれる仕事」をトレードオフで取捨選択する傾向が、若い世代ほど高まっている。コロナ禍で転職をした労働者の1/3は、旧職よりも給料がダウンしており、その理由も、より良いワークライフバランスを望んだことが、レイオフ(解雇)に次いで多い。

そのため企業は、単に時給相場を引き上げていくだけでは人手不足を解消していくことは難しく、職種によってはリモートワークやハイブリッドワークの導入することの効果が高い。それが出来ない職種では、フルタイムの雇用者を増やすよりも、希望の曜日や時間帯に出勤できるギグワーカーの採用が、事業者のインフレ対策として有望視されている。

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