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目には目を、SDGsにはきれいごと志向を

こんにちは。KATALOKoooというオンラインショッププラットフォーム事業をしています翠川です。先月発売のFRaU SDGs MOOKで、新しいはたらき方という特集で取材していただき、大好きな編集者の藤井志織さんに「"きれいごと"が機動力になる」と見出しをつけてもらいました。これまで、正直者が馬鹿を見ない時代の到来?!とずっといってきてましたが、きれいごと勝利の時代にアップデートされつつある気がする今日この頃。

私は基本、頭の中がお花畑で、現実的な指摘に一度焼き尽くされもうだめかと思っても、一晩寝て起きたらお花畑復活するというのを何度も繰り返して今年40歳になります。おそらくこれは死ぬまで直らない性質です。

SDGsは地球人のきれいごと入門編

皆さんご存知の通り、2015年の国連総会で採択されたSDGsは17の目標と169のターゲットによって、私たちの暮らす経済、社会、環境を中心に、多くの観点から捉えたものになっています。あらゆる立場の人や国が当事者として参加でき、世界的な行動を起こすプラットフォームが構築されてきました。地球人としてこれから生きていくために全員で取り組むべき入門編の種別わけです。

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ひとつひとつのゴールにフォーカスした紹介(17のゴールがバナーのように並んでいるあれ)が多いですが、行動指針に落とし込む際の理解を深めるにはSDGsのウェディングケーキがとてもわかりやすいです。一番下の基礎となるケーキの層は、気候や生物多様性、水、海洋など人間を含む全ての命を支える「地球システム」。その土台があって、「社会」「経済」という層が成り立っています。

地球を維持していくための個人の行動、また企業の取り組みについて考えたとき、2015年からビジネストレンドになりつつある最近までに成されたさまざまを見てみると、下記の2点に留意した方がいいように見えてきました。

取り組みを単一分野で考えない

最下層の「地球システム」を守るには、その上に乗っている「社会」「経済」の層で変革のアクションをすることが重要です。これは、個人でも企業でも共通でいえること。今地球を壊しつつある経済システム、すなわち政策、企業行動、私たちの日々の行動を変えることが、地球を守り、社会や経済を持続可能にするのです。17あるゴールを単一分野として別々に考えるのではなく、すべてがつながっているという視点でとらえるべき。すなわち、いくつ取り組んだかということではなく、構造全体でとらえることが必要です。

ある分野での活動を大々的にリリースする一方で、他分野の配慮ない活動は別の話、というのは今後は是正されていく流れになるでしょう。それでは1ピースのケーキに過ぎません。1ピースずつ寄せ集めてウェディングケーキをつくるより、層になっているウェディングケーキを切り分けるように全てつながっている方が美しいですよね。

悲壮感なく取り組む!

一方で、 地球人全員に関わる入門編ですから、みんなで結果を出していかなければならない、しかも長期的に。そのためには、悲壮感なく取り組むというのが、くだらない精神論のようですがかなり重要です。

とにかく、行動した人を賞賛する雰囲気を作っていった方がいい。例えば、ボランティアがうまくいかなかったことで傷ついてもう関われない…発言権ない…と思ってしまう人が少なくないと思います(真面目な人ほど陥っている気がします)。が、まず行動したことだけで素晴らしいと賞賛すべきことです。または、ある企業の取り組みに対して、「この企画はいいけど、別企画のここが全然だめ!だからないものとする!」という揚げ足取りをしている人もいますが、この、自分が十分にできていない罪悪感からの攻撃は誰も幸せになっていないのでやめましょう。そもそもちょっとでもトライしてるなら罪悪感感じる必要ない話です。もっと賞賛して盛り上げて行ける風潮を作っていきたいですよね。

きれいごと志向の人はこれが得意

取り組みを単一分野で考えない/悲壮感なく取り組むために、きれいごと志向はかなり有効です。どちらに関しても、継続的に盛り上げる、諦めないで実行していくことに力を発揮するでしょう。きれいごとの実現をモチベーションに、大丈夫!絶対あってる!めげない!やる!といつもサポートしてくれ、良い循環が生まれていきます。これからSDGs担当者として適した人材は専門知識よりマインドが重要なのではないでしょうか。さらに、その担当者がマイノリティ側の経験があると(複数であればあるほど)説得力が増します。経営者は、こういった後押しになる人材を社内外問わず必要とするのではないでしょうか。

私たちはSDGsをビジネストレンドとしておわらせている場合ではなく、2030年を経て2050年までに、その先の持続可能性を確保するための基盤を作り上げる必要があります。The World in 2050では、6つの社会・経済システム転換(デジタル革命・スマートシティ・食料、生物圏と水・脱炭素とエネルギー・生産と消費・能力開発)を2050年までに成し遂げる必要があると示しています。中でも個人レベルでは、能力開発の「教育」「エイジング」「労働市場」「ジェンダー」「不平」などの是正に関して特に注目していくべきカテゴリーでしょう。こういったことに対して当事者意識がある人材は、さらに力になってくれるはずです。

若い人にきれいごと志向の兆しがある

私の娘は、今8歳で、2030年に17歳、2050年に37歳です。そのときには本当に、地球人一丸となってきれいごとファーストで動く世界になっていてほしい。今もう走り出していると考えると、力が入ります。

そして、このきれいごと志向的感覚、若い世代になればなるほど、共感してくれる実感があります。大人サイドからはよく「わかってないだけ」という声が上がっていたりするのですが、本当にそうでしょうか?知識や経験が少なくわかっていない部分も確かにあるかもしれませんが、体感としてまた当事者として感覚的にわかっていることも確実にあると思わずにはいられません。少なくとも、「どうせその頃には死んでるからどうでもいい」とは思っていないはずです。

正しいことはめんどくさい

現状はまだ、例えば日経電子版でSDGsと検索するとそれぞれの分野的な取り組みを紹介している記事が多く表示されてきます。正しいことはめんどくさいので、CSR的に取り組んでいる企業も多いでしょうが、今の潮目では、より本質的にCSVとして取り組まざるを得ない方向に進んでいます。企業におけるSDGs担当者また、経営者がきれいごと志向に理解がある企業が消費者に評価される時代は案外もうすぐそこに来ているのではないでしょうか。

SDGsの担当者に向いているのは、きれいごと志向を地で行く人。スモールビジネス界隈においては、経営者がその意識を持つしかないと思いますが、どうしても現実に苛まれてそうもいっていられない場合は私のような人を連れてきて外部から盛り上げる方法もあります。次の時代に向けて、地球人みんなできれいごと志向になっていきましょう!

今後は、スモールビジネス界隈におけるSDGsな取り組みに関してまとめて発信していこうと思います。気になる人は、マガジンフォローをお願いします。

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参考文献:
東大×SDGs: 先端知からみえてくる未来のカタチ

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翠川裕美( KATALOKooo 代表 )
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