「100万しか」は失言じゃなくて本音。政治家はもう継続任期年数制限したら?
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「100万しか」は失言じゃなくて本音。政治家はもう継続任期年数制限したら?

荒川和久/「結婚滅亡」著者

細田議長は10日、自民党議員の会合で、国会議員の給与について「議長になっても毎月もらう歳費は100万円しかない」「手取り100万円未満の議員を多少増やしてもばちは当たらない」などと述べ、議員定数の削減に否定的な考えを示しました。

何を言ってんだか…という話です。当然のごとく、この発言は野党や国民だけではなく、与党の自民党からも批判が相次ぎ、撤回謝罪したようです。

当然であり、1ミリも擁護すべき点などないわけですが、しかし、中には擁護する人間もいる。当該関連記事のヤフーコメントで東洋大学ライフデザイン学部准教授の方が書いたコメントが以下である。コメントはこちらからも見れます。

細田氏は衆議院島根1区選出(1人区)の代議士です。この島根1区は高齢化と過疎化がわが国のなかで最も進行している地域のひとつです。 件の発言は、国会議員の選挙区ごとの定数が人口の増減に応じて見直されると、そうした地域から選出される議員が減少•消滅し、限界集落を多数抱えるような過疎地域、過度な高齢化が進む地域の住民の声が国政の場で代弁される機会すらなくなってしまう、という問題提起のなかで発せられたものでしょう。 衆議院議長の立場ではありますが、当該選挙区から唯一選出されている代議士であることには違いがありません。代議士としての役割を果たす•代議士として発言すること自体を、周囲から否定し過ぎるのもいかがなものかと感じます。

この理屈には根本的に全く何から何まで賛同できない。そもそも論点ずらしの理屈でしかない。国会議員というものはあくまで国政に対して責務を負うのであって、地方の難題や苦境の代弁者となること自体を否定しないが、自分の選挙区のためだけに国政や税金を好き勝手使うことが許されているものではないはずだ。

地方の過疎の問題やインフラ不備の問題があるからこそ、国全体としてそうした地方をどうやって再構築していくかを考えるべきであって、すでに今限界集落となっているところをノスタルジックに放置するのが政治の役割なんだろうか。ましてや国全体で人口減少している中、かつての賑わいが地方に戻ることなんてあり得ない。

地方については、基本的に私は「町の終活と人の集活」を推進したい派なので、詳しくはこちらの記事を読んでください。

そもそも、あのコメントの何がズレているかというと、なんでみんなが怒ったかという点をまったく見ていないところ。なんで怒ったのか?結局のところ、自分の議員としての立場や権力を守りたいだけなんじゃないの?という本音が透けて見えるからなのだ。

物の言い方も悪すぎる。「月100万程度の金なんだから増やしてもいいだろう」という理屈が通用するなら、「月15万程度の生活保護対象者をもっと増やせ」という話になる。民間企業との比較をいうが、民間なら業績をあげられなければ報酬はさげられるし、解任される。ならば国会議員もGDPや国民の可処分所得があがらなければそれに比例して報酬を返上するのか、議員やめさせられるのか、という話にもなる。たとえ話をするにしても、言葉が重要な政治家として稚拙すぎるだろうとしか思えない。

そもそも、国会議員っていくらもらっているのか?

現在、国会議員の「歳費(給料)」は改正歳費法による減額もあって「月額104万ほど。年間で約1248万円だ。これに期末賞与が年額635万円入る。加えて、一時期問題となった「文書通信交通滞在費」として月100万円、年間1200万円を真水で使える。さらに、「立法事務費」などの名目で月65万円ほどもらえる。以上で合計年間3863万円になる。

それだけじゃなく、元立憲民社党の議員の新幹線無賃乗車事件のように、国会議員特権なんてものがある。

世界的にも日本の議員給料は高く世界3位で、アメリカの1914万円よりも全然高い。

別に、「国会議員に給料を払うな」とは言わない。仕事に見合った報酬を堂々と受け取ればいいと思う。しかし、そのお金は国民によって与えられているものであるという意識は忘れないでほしい。

いうに事欠いて「100万円しか」とか、口が裂けてもいうべき言葉じゃない。「バチ当たり」なのはそっちだろう。

と思ったら、そういうこと言ってる議員もいた。

国会議員全員がこんな老害爺さんと同じ感覚ではないと信じたいものだが、もし国会議員を続けているうちに、若いころに持っていた思いなどを忘れて、単なる権力依存爺さんになってしまうのなら、それこそ議員の最大活動年数を制限した方がいいんじゃないかとさえ思う。最大通算20年までとかね(細田氏は30年以上もやっている)。長く議員なんかやって、周囲から「先生、先生」なんておだてられているからそうなるんでしょ?定年制じゃなく継続年数で区切る。議員として結果を出したければ期限の中でやればいい。

余人を持って代えがたい人なんていないから大丈夫だよ。

少なくとも、細田氏が議員になった1990年以降30年間、国民の生活は楽になったの?30年前と比べて、明らかに若者が置かれている経済環境は厳しいという現実と向き合ってもらいたい。なぜ未婚率があがっているのか、なぜ子どもが産めなくなるのか。気にするべきは議員の給料ではなく国民の給料でしょう。

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荒川和久/「結婚滅亡」著者

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荒川和久/「結婚滅亡」著者
11/13に新刊「結婚滅亡」が発売です!他著書「ソロエコノミーの襲来」 「超ソロ社会」「結婚しない男たち」等。東洋経済等でコラム執筆したり、テレビ・新聞によく出ます。独身研究家として活動させていただいてます。メディア出演・執筆・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージから。