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少子化対策なんて無駄。冬が来るのにいつまで夏服なの?

11/6に、AbemaPrime に出演しました!事情により、一回飛んだ分です。

テーマは「出生数が激減 "超少子・高齢化社会" ニッポンに処方箋は?」。

時間が45分くらいと短かったので、喋り足りなかった部分もありましたが、とっても楽しかったです。

しばらくこちらから動画がご覧になれます。

出演者の皆さまと。

左から、ハルさん、松浦シゲキさん、堀潤さん、僕、パックンさん、宮澤エマさん、平石さん、穂川果音さん。

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のっけから、こういう感じで。

「日本は滅びる」ねえ。そんなことで滅びる程度の国ならさっさと滅びればいいと思いますよ。

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僕は、それに真っ向反対の「少子化対策なんて何をしても効果ないです」という立場で出ました。

まあ、いつも言っていることでブレはないのですが、こんなの厚労省の官僚も政治家も実はわかっていて、でもそれを公言しちゃうと選挙に影響したり大変だからお茶を濁すために対策しているフリなんですよ。

茶番です。だから年間2兆円といわれる費用だって、少子化対策というより、ほぼ「子育て支援」に使われているわけです。

それ自体を否定するものではないですが、こちらの記事に書いて相当話題となったように、「問題は少子化ではなく少母化」なのであり、お金の使い方が的外れであることは間違いないのです。

日本どころか世界中が人口減少するのは、もはやだれが対策をしようと明らかに進行する自然の摂理であって、止められるものではありません。それについてはこちらにエビデンス付で書きました。

この現実をなかったことにしようとする大人が多すぎなんですが、なかったことにしようがしまいが、確実にやってくる未来なんです。

だって2025年から毎年150万人以上死ぬ多死時代が最低2075年まで50年間継続します。年間生まれてくる赤ちゃんの数は90万人です。単純計算しても、90万-150万で毎年60万人ずつ人口減少します。それが100年続けば6000万人減ります。現在1億2千万人いますが、2100年日本の人口は6000万人を切ると言われています。すべて数字のつじつまは合っていますよね。

番組の中でパックンさんが指摘されていたように、「子ども一人産んだら1000万円」みたいなことをやりもせず少子化は是正されないというのはおかしいのではないか?という意見もあると思います。

ただそれについても、実際それで効果があるかというと「そうでもなかった」というのが今のフランスを見ても明らか。

繰り返しますが、昔も今もお母さんたちは2人以上の子どもたちを産んでいます。合計特殊出生率が下がり続けているのは、決してお母さんたちが子ども産んでいないからではなく、そもそも未婚者が増えたに過ぎません。

どうしても少子化を是正したいなら、(婚外子や事実婚のない日本では)自動的に結婚数を増やさないと効果はないという結論になります。

でも、結婚が増えないどころか、離婚数も増え続け、今の日本は「結婚が作られず、結婚が壊される」状態になってます。八方ふさがりです。

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番組の中でもうひとりの専門家が「結婚のマッチングを増やさないといけない」なんてことを言ってましたが、断言しますけど、そんなことごときで結婚が増えるなら、世の中の結婚相談所で一生懸命働いている仲人さんがあんなにご苦労するはずがないのです。絵に描いたキレイ事で、結婚なんか増えるわけがない。

番組の中で僕が力説したかったのは以下の点です(全部言えませんでしたけど…)。

「どうあがいても少子化は是正されないし、人口減少も止められない。だとすれば、いい加減できもしないことを延々やるより、もうそういう前提に立った時に何をしないといけないか、そういう方向に舵を切るべき」

「寒い冬が来たら、服を着込んで、部屋を暖かくして過ごすのが当たり前。少子化対策でなんとかなると思っている人と言うのは、冬が来ているのに相変わらず半袖1枚で、お金をかければ寒くはならない! 気合を入れれば夏は続く! と言っている人のようなものです。そう聞けば、どれだけ愚かな言動をしているかおわかりでしょう?」

「単に頭数として子どもの数を増やせばいいという考え方ではなく、今生まれている子どもたちを無事に健やかに育てていくために、大人たち全員が何をすべきか。自分の子かどうかは関係なく、結婚していようがいますが、子があろうがなかろうが、社会の一員として大人たち全員が子どもたちを支えていく、そういう社会を目指していくべきじゃないか」

「是正すべきは、婚姻率でも出生率でもなく、結婚や出産をしなければ、社会の役に立っていないなんて思う人間の思考の削減の方です」

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子ども一人産んだら1000万円の施策を全否定するものではありませんが、子どもを平気でエアガンでめった撃ちにして、殺してしまう親が残念ながら存在いることも事実です。お金欲しさに出産しないとは言い切れない。子どもは金を得るための家畜ではないはずです。

もちろん人口減少時代から静止人口時代への移行期にはいろいろ問題も発生します。ですが、冷静に考えていくべきなのは、現状の1億2千万人の人口が正常なのではなく、むしろこの100年の皆婚と人口増加現象そのものが長い日本人の歴史から見たら「異常」だったのです。

人口を体温と置き換えて考えればわかりやすい。今の日本(世界もそうだけど)高温でうなされている不健康状態なんですよ。

日本の長期人口推移

とはいえ、この問題は労働力人口をどうとらえるか、という経済問題でもあるので、それを全部議論するには45分ではとても足りませんでした。

ぜひそのあたりにも踏み込んで、また番組に呼んでください。


ちなみに、そのあたり(結婚は増えない)について書いた拙著がこちらになりますので、よろしくお願いします。


とにかく、結婚しない人たちが自分が未婚であるという状態で卑下したり、「社会の役に立ってない」などと思うことがあっていけないと思います。

相変わらず「結婚できないのはそいつの意思が弱いからだ」とかいうマッチョ頭脳の人たちが多くてうんざりするのですが、非婚化もソロ社会化も人間の意思が作り上げたものではありません。すべては構造の影響です。言い方変えれば、自然の摂理。

人間ごときがジタバタしてなんとかなる問題じゃない。どう適応するかを考えるのが人間の務め。


「そもそも結婚する気のある未婚者なんて半分もいない」という話をしたんですが、宮澤エマさんが「なんか、私の話みたいになってきた」とリアクション!エマさんが「ソロ女」価値観であることが判明しました。

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正直、エマさんがおキレイで、見とれてしまった。後で動画見たら、僕はずっとエマさんの方ばかり見てしゃべっていますねwww


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荒川和久/独身研究家・コラムニスト
長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。