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世界人口は30年後に減少に転じる ~ 無人の惑星

2017年6月21日に国連が発表した「世界人口予測2017年改定版」では、出生率・移動率・死亡率のこれら3つのデータに基づいた人口予測モデルによって、現在76億人の世界人口は毎年約8300万人づつ人口が増加し、2030年までに86億人、2050年に98億人、そして2100年には112億人に達すると予測しています。

しかし、米国で2019年2月5日に出版された『Empty Planet(無人の惑星)』では、我々が常識としている人口爆発が起こる未来像を大きく覆しています。国連の予測は見当違いで、およそ30年で世界人口は減少を始めると解説しています。

本書の中で、人口統計学者のウォルフガング・ルッツ氏は、人間における最も重要な生殖器官は脳であり、生殖についての考え方が変わると、出生率も大きく変化するとし、人口が減少に転じる最大の要因は女子教育だと説明しています。

国連の予測モデルでは女子教育の普及は要素として考慮されていないため、女子教育の改善を見込むと、2100年の人口予想は80億~90億程度まで下がるそうです。

さらに、教育に影響を与えるのは学校での教育だけでなく、世界中に急速に広まっているスマートフォンも考慮する必要があります。

スマートフォンを利用できれば、膨大な知識にアクセスできるようになり、我々の考え方は大きく変わっていき、ますます出生率を低下させていくことにつながります。

地球が維持できるよりも人間の数が増えてしまうことが、現代人類が直面する最大の課題だと捉えられてきましたが、この書籍が正しければ、遠くない未来に地球全体が現在の日本のような少子高齢な状態になっていきます。

そうなると、反対に現代日本が抱える人口減の問題は人類全体の課題となり、地球規模で取り組んでいかなければならない時代が到来しそうです。

What Will An Empty-Planet Future Look Like?(英語)

「世界人口が今後30年で減少に転じる」という、常識を覆す「未来予測」の真意


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