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「人の紹介」は、適当にやったら信頼が0になるかも

人と人をつなぐことには、大きな価値があると思っています。だからこそ、その進め方はとても重要です。しかしこれ、まれにですが「適当」にやってしまう人がいて怖いなと感じます。下手すると、関係者全員に超マイナスの結果だけを残してしまうことに。


以前、自分が経験した話をします(特定の人の非難という意図はありませんので、一部を改変しております)。

昨年の終わり頃、ある知人から「どうしても紹介したい人がいる」という連絡がありました。ちなみにその知人 (Aさんとします)と僕とは、それほど近い仲ではありません。5年〜6年くらい前に、お仕事を一緒にしたことがあるというくらいの関係性で、その後はFacebookやTwitterで消息を知るくらいでした。

忙しい時期でもあったのでちょっと迷ったのですが、AさんからのDMにはかなりの切実感があったので、「オンラインなら時間作りますよ」と返答して依頼を受けることにしました。まあ、Aさんも困っているのだろうと思ったので。

「どうしてもお話がしたい」という依頼主は、とある上場企業の営業部長職だということです。B部長とします。


そして引き合わせや調整などのために僕、Aさん、B部長の3者間でグループDMが作られたのですが、そこで、2点気になることがありました。

ひとつめは、仲介者のAさんが、「じゃ、あとはお任せしますね」ということで早々に丸投げ状態になってしまったこと。ふたつめは、僕から日程候補を出したのですが、B部長からの返事がとても遅く、再調整までしたことです。

この流れで、「ん? ちょっとこれは... ? 」という、悪い予感が頭をよぎりました。が、一旦受けてしまった以上はしょうがありません。こちら側としては、変わらずできるだけ丁寧にアレンジを進めました。


そして、オンライン面談の当日です。B部長と画面がつながって、互いに簡単に名前と挨拶を交わした後、先方から

「えっと、今日はなんでしたっけ?」

という言葉。うわあまじか…   そして続けて、

「ああ〜 確か、Xくんからの紹介でしたっけ?」

などというとぼけたセリフ。


ああ、本格的にダメだこれは... と思いながらも、
「いえ、Aさんからのご紹介ですね。先日、グループDMで調整させて頂いたと思いますが」
と言ったところ、

「あ〜、なるほど。あの件かもね。すみません、僕、Aさんって良く知らなくて。部下のXくんに、〇〇に詳しい人を誰か紹介してよって言ったんですが、たぶんそこからXくんの友人(Aさん)につながったんですかね」と。

瞬時に頭を巡らせ、こういうことだと判断しました。B部長が「ちょっと誰かいい人いない?」と軽く言ったところ、その部下のX氏が忖度して動き、友人のAさんに相談したと。そしてなぜか、それが「どうしてもお会いしたい」と変換され、Aさんから僕に白羽の矢が当たったと。

しょうもない白羽の矢を当てるのとかマジでやめてくれるかな… と思いながらも、まあせっかくつながったご縁だし、一応きちんと話はしようとは思いました。


しかし、画面の向こうのB部長の姿勢が、「明らかに適当」なのがよくわかります。オンラインだとバレないと思ってるのでしょうが、ツール越しでも、相手の姿勢というのはものすごくビビッドにこちらに伝わってきます。

「自分はエラいと思っている人」に特徴的な間、表情、口調で、「まあ話を聞いてあげるよ」という感じです。

あ〜これはダメだ。早く終わらせよう.. ということで、できるだけ詰めて話をし、30分そこそこで「一応形にして」、面談を終わらせました。

いや〜、疲れた。虚しい徒労感だけが残りました。これ、みんなが不幸になるパターンですね。そしてこのエピソードからは、いろいろな教訓が読み取れると思います。


▶ 人の紹介をするときは、慎重な段取りと丁寧な仕事が大切


今回の件ですが、B部長、部下のX氏、そして仲介者のA氏に、それぞれ課題があったと思います。

まず、依頼主のB部長。人の紹介を依頼するのに、すべてが「適当」なことが問題です。伝え方もそうですし、面談の対応もすべてそう。こういう人は、「人を紹介すること」の価値を軽く見ており、人の時間を使うことをなんとも思っていないことがよくわかります。

人に紹介を依頼することは、仲介者、そして相手側の時間や労力を使うことですから、ある種の「覚悟」が必要です。僕はいつもそう思ってます。そして常に、仲介者や相手にも、「何かしらのメリット」を提供できるように考えたいと思っています。


そして次、B部長の部下のX氏の行動についてです。彼の問題は、「知り合いの知り合い」まで紹介の対象を広げてしまったことだと思います。

これをやってしまうと、経験上、たいがいの場合うまくいかなくなります。人の紹介とは、仲介者が、「両方を直接知っている」ときにうまく機能するものだと思っています。間に多くの人を挟むと、責任の所在があいまいになり、薄い紹介になってしまいがちです。


そして最後、仲介者のAさんの行動の問題です。

察するに、Aさんは、X氏になにかの貢献をしたいという意識が強かったのだと思います。だから、仲介のやリ方が、あきらからにX氏(そしてB部長)側の要望やメリットだけに偏っていました。残念ながら、僕の方へのケアはかなりおろそかになってしまったのでしょう。

一方だけがメリットを得られるような紹介は、僕ならやりません。何かしらの、両者のメリットを考えます。それがどうしても弱い場合には、自分もmtgにアテンドして、何らかの価値を作ろうと考えます。


人の紹介は、成功すれば、すばらしい価値をもたらします。

そして、仲介した人は両者から感謝され、信頼されます。それが、自分の「人とのつながり」を強化することにもつながります。

しかし、人の紹介を適当にやってしまって失敗すると、逆にものすごく評価を下げることになります。特に「依頼された側」からはそうでしょう。次に同じような依頼があったしても、なんだかんだと理由をつけられて断られるかもしれません。


人の紹介は、積極的にやれば良いと思います。

しかしながら、「段取り力」と「やる気」が、ダイレクトに結果に現れます。だからこそ、きちんとやりたいものだと思っています。自戒をこめて。


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Voicyで、この内容についてさらに掘り下げました。よろしければぜひお聞きください


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