トランプが抱えるもう一つの頭痛:深刻な米財政赤字
米議会予算局CBOによると、財政赤字の対GDP比は向こう数年間上昇する。1968年以降の50年間の平均は2.9%だが、2018年から2028年にかけては4.6-5.2%程度に膨らむ予想。2020会計年度には米財政赤字が1兆ドルを超える見通し。
累積する財政赤字を受け、連邦債務は着実に増加する。CBOの試算では連邦債務の対GDP比は2017年の76.5%から2028年には96.2%に上昇し、戦後最悪となる。
国債発行など債務残高をどこまで積み上げていいかを、「債務上限」という。この額を米議会が予め定めていることにより、右肩上がりの債務増加に歯止めをかけているはずの米国だが、債務は膨張。いつもギリギリのタイミングで債務上限の引き上げ等が可決して米国債デフォルトを回避しているのが実態でもある。厳しい債務見通しの中、今後も米国債デフォルト懸念の台頭や、そこまでいかずとも政府機関の閉鎖などといった局面に至らないとも限らない。
拡張的な財政政策にも関わらず、景気を大きくプラスにできないまま、米国債をデフォルトリスクに晒すようなことになれば、外交でポイントをアップしようとしても、そう簡単ではないことをトランプ大統領自身が肝に銘じる必要があるのではないか。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26835540T10C18A2EA1000/
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