名創優品から考える「良い模倣」とは何かについて
DAISO、UNIQLO、無印のいいところ取り
「無印とユニクロとダイソーを足して3で割った」ようだ
今月に米ニューヨーク証券取引所に上場を果たした中国雑貨品チェーンの名創優品(メイソウ)は、日本企業の「パクり」だと言われています。
確かにロゴをみると、これはパクりだ!!!確信犯!!!
と感じるところはあります。
ただ、ビジネスは物凄いスピードで成長していて、本家(日本ブランド)を凌ぐ勢いと表現されています。
・2013年に創業
・売上:2700億円
・店舗:4200店舗(80の国と地域)
*2020年6月時点
・従業員:3万人
上場時の時価総額は6,300億。
名創優品が実践する優れたパクり(模倣)
日本のパクりだと言われている企業が急成長しているわけなので、「優れたパクり(模倣)」をテーマに分析していきたいと思います。
日本ブランドの表面的なパクリで片付けるのではなく、なぜ模倣からここまでの成長ができたのか?を考えていく→活かしていく必要があると考えています。
名創優品を読み解くと、表面(デザイン)だけマネているわけではなく、本質的な部分をマネして競争力に変えていることがわかります。
根底にある商品開発/デザインに投資
自社の競争力に関して、インタビューでこのように語られています。
「我々の最大の競争力は(商品の)極めて高いコストパフォーマンスと頻繁な新製品の投入だ」
また、こちらのNewsPicksの記事から、名創優品はデザイン投資、商品開発への投資を立ち上げ期からアクセルを踏んでいることがわかります。
名創優品の優位性を支えるポイント
・デザイナーに一億元(16億円)を投資
・500人以上のバイヤーが毎週世界中のトレンドを観察
商品開発力を軸に、店舗展開の仕組みも工夫されていて、この直管モデルが成長の基盤になっているようです。
・出資者にお金と土地を提供してもらい、名創優品が運営
・売上をレベニューシェアする仕組みをつくっている。
無印良品やユニクロの強みは、デザインに投資をし、デザイナーに権限をもたせて商品力を高め続けている点にあります。
この根抵の仕組み部分を、名創優品はしっかり模倣しています。
さらに、店舗出店は独自モデルを採用して成長を加速させている。
良い模倣とは何か?
自分は、良い模倣をこの3つだと考えています。
模倣の経営学という書籍を参考にしています。
①遠いところからマネる
異業種に越境、地域軸と時間軸を広げてアンテナ張る
②原理原則をマネる
ビジネスモデルや業務プロセスなど仕組みレベルを理解
③文化を踏まえてマネる
仕組みの背景にある文化や価値観を理解
名創優品は表面的にロゴをパクっているわけではなく、仕組みやデザイナーに投資をする文化まで模倣している。つまり、良い模倣をしていると捉えています。
セブンイレブンも良い模倣の事例だと言われています。
日々の仕事の中でも、表面的なパクりではなく、本質や仕組みから真似ることを大切にしたいですね。
最後まで読んでくださりありがとうございました!