🌲グリーン分野への転職成功事例〜グリーンリスキリング〜
本日グリーンスキルに関する素晴らしいレポートがLinkedInから公開されています!
Global Green Skills Report 2022
以下、レポートの一部和訳とグリーンリスキリングの考察となります。
1. グリーンジョブの増加と課題
過去5年間で再生可能エネルギーと環境分野での雇用は237%増加しており、石油・ガス関連職の増加率が19%であるのとは対照的です。このペースでいけば、2023年にはLinkedIn上で、再生可能エネルギー・環境分野の雇用総数が石油・ガスを上回ると予想されています。
グローバル人材に占めるグリーン人材の割合 は、2015年には9.6%だったものの、2021年には13.3%に増加、年率6%の成長率で、累計では38%となっています。
またグリーン分野での雇用の増加は他のジョブに比べて著しく増加していますが、2021年時点で全職業におけるグリーンジョブの割合は10%にしか過ぎないようです。
(以下のグラフ等は全てLinkedIn Global Skills Reportからの引用となります)
年齢、性別、学歴に応じてまだまだ不平等な状況にあることも指摘されています。以下は2016年から2021年の期間でもグリーン人材の増加の割合となります。やはり若い世代のグリーン分野への転身が多い結果となっています。
本日の日本経済新聞でも取り上げられていますのでご参照頂けましたら幸いです。
多くのグリーンスキルは現在増加傾向にあります。中でもサステナブルファッション、環境サービス、サステナブルな成長分野は、いずれも過去5年間で60%以上の伸びを示しています。
残念ながら現在のグリーン分野への移行ペースは遅すぎることに加え、グリーンでない仕事を辞める労働者が1万人いるのに対して、グリーンジョブへ移るのはたった1人の割合。これからもっと多くの労働者ががグリーン分野の仕事に移行することが必要です。
2. グリーンリスキリングの成功事例
レポートでは、グリーンリスキリングに成功して転職し、グリーンジョブに就いた3名の方々の貴重な事例が掲載されています。
Amyさん(一番左)
旧: 社会貢献分野のイベント運営担当
新: 環境マーケティング&コミュニケーション・スペシャリスト
・行政学の大学院へ通い修士号取得、New Yorkの非営利団体Environmental Defense Fundへ転職
Andyさん(真ん中)
旧: 石油ガスの採掘オペレーションマネージャー
新: 地熱エネルギー分野の採掘マネージャー
・現在勤めている会社での出世と環境分野の情熱を活かした転職で迷い、CeraPhi Energyというイギリスの地熱エネルギー開発会社へ。
Karen さん(一番右)
旧: ゲーム業界の採用シニアマネージャー
新: バイオプラスティックメーカーの採用パートナー
・グリーン分野へ転職した友人に影響を受け、 Full Cycle というシリコンバレーの生分解可能プラスティックを製造するスタートアップへ。
3名のグリーンジョブへの転職方法は、共通して、
①自分の現在の専門スキルを活かして、グリーン分野へ転職
②転職前からグリーンリスキリングを自発的に実施
③知人、友人のグリーン分野への転職情報や助言を活用
ということが読み取れます。現時点ではグリーンジョブの急激な増加に対して人材供給が追いついていないので、グリーン分野へのポテンシャル転職も可能ではないかと思います。
3. LinkedIn Learningでグリーンリスキリング
本日、Closing the Green Skills Gap to Power a Greener Economy(グリーンエコノミーを促進するためのグリーンスキルのギャップ解消) というタイトルで、9講座(合計約20分程度)が公開されました。講座は以下の3カテゴリになります。
①グリーンスキル: グリーンエコノミーへの移行促進
②グリーンスキル: 今後の可能性
③グリーンスキル: 政府、会社、労働者
LinkedIn Learningではグリーンジョブを目指す方々向けにこれらもっと講座が展開されてゆくと期待しています。グリーンリスキリングに取り組む方は是非チェックしてみてください。
グリーンリスキリングは欧州が先行、アメリカも急速にキャッチアップしています。日本でもグリーン分野で活躍する人材が増えるよう、これからも情報発信してゆきます!