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人生の谷底にいる氷河期世代 幸福度をあげるための処方箋とは

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

2024年も終わろうとしています。今年は選挙イヤーであり、米国ではトランプ氏が再び返り咲き、日本でも自民党が大きく票を失った一方で国民民主党の大躍進が話題となりました。株式市場でも2月22日にバブル期(1989年)につけた史上最高値である3万8915円を更新。7月11日には初めて4万2000円台をつけました。NISAの拡大やビットコインの高騰なども話題になり、投資の裾野が広がった年であったと思います。

個人的にはあらゆるライフイベントが立て続けに起こり、てんてこ舞いの1年でした。上司からの激詰めによる雇用継続の危機から始まり、義母の介護にまつわる緊急対応が多々起こり、息子が大学に入学して子育てが一段落したと思ったら介護の終了(天に召された)。上司がレイオフされたことをきっかけにした組織再編により自身のポジションの危機が本格化(外資あるある)。職探しからの転職となりようやく年末で落ち着いたところです。この歳になると、人生いろいろです。。。

最近見かけた記事で目を引いたのが、以下です。世界中で幸福度と年齢の関係を分析したところ、その谷底は48.3歳だったとのこと。あらら、わたし、ど真ん中だ。

米ダートマス大学のデービッド・ブランチフラワー教授が145カ国のデータから幸福度と年齢の関係を分析したところ、幸福度はU字型の曲線で推移し谷底の平均年齢は48.3歳だった。

内閣府の「満足度・生活の質に関する調査報告書2024」からも、40〜64歳のミドル層の生活満足度の低さが明らかだ。20年は40〜64歳と39歳以下の差は0.03だったが、24年には0.32に広がった。ミドル男性は「家計と資産」「子育てのしやすさ」の満足度が23年から低下した。

日経電子版

1976年生まれ、俗にナナロク世代と言われる我々ですが、まさに就職氷河期のど真ん中で、就職活動期には有効求人倍率が0.48倍という厳しい環境でした。ちょうど高校に入るときがバブル崩壊の時期で、父親がゼネコンに勤めていた我が家も景気のアップダウンを肌身に感じていました(そのゼネコンは会社更生法を申請して破綻)。

では自身の幸福度はどうなのかと言われると、総じて高めであると思います。ひとえに周りの友人に恵まれたおかげなのですが、本業とは別のコミュニティに参加する機会が多いことが影響していると考えています。子育て時にはママ友・パパ友のネットワークを広げて会社とは別の友人・知人と交流するようにしていましたし、趣味の音楽活動(バンドやサンバカーニバル)でも普段出会わないような方々と知り合うことができました。

今年はあまりにしんどいことが多かったため、むしろ新たな学びを通じて元気になろうと思い、積極的に茶会や茶事に参加したり、能太鼓を稽古してみたり、元々好きだった中国茶を体系的に学び中国茶アドバイザーと評茶師の資格も取得しました。また、転職のタイミングだったので10年ぶりにTOEICの勉強と受験をして、なんとか大台である900点超えを達成しました。

幸福学を研究する慶応義塾大学教授の前野隆司さんによれば、勉強のように自分を成長させる活動は幸福度を上げる。意外なことに、学ぶ人の幸福度は旅行や芸術鑑賞に熱中する人と同じくらい高いという。前野さんはさらに高齢期に向けた幸福の条件として、複数の人間的なつながりを持っていることも挙げた。

内閣府の20年度の国際比較調査では、日本の単身高齢者は調査した4カ国中「人との会話がほとんどない」が最多の25%だった。生きがいを「あまり感じていない」「まったく感じていない」も計29%で最も多く、孤独・孤立対策が政策課題にもなっている。

日経電子版(前述の記事より)

幸福度をあげるには「学び」と「交流」が鍵のようです。これは私の実感とも一致しており、新たな学びをすると新たな友人もできますし、なによりこの歳になると「初心者になる」ということがとても大事なことだと感じます。50歳ともなれば仕事場では責任のある立場を担っている方も多いでしょうが、謙虚さを取り戻すという意味でも積極的に初心者になる努力をすべきではないかと思います。

友人宅でのケーキパーティで中国茶ペアリングを提供

先日友人が主催したケーキ食べ比べ会がとても楽しかったのですが、せっかくなのでケーキに合う普段飲まないような中国茶をペアリングとして提供しました。

かつて江戸時代後期から明治時代にかけて日本でも流行した「文人趣味」というものがあります。元々は詩・書・画の三絶を兼ね備える中国・明代の文人たちが酒や茶を嗜みながら語り合うサロンのようなものを理想とし、知識人たちが文学や学問を夜な夜な語り合うようなものだったと言われています。今後は趣味の合う仲間と共に現代版文人趣味のようなものをやっていきたいなと妄想しています。


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タイトル画像提供:小胖 / PIXTA(ピクスタ)

#日経COMEMO #NIKKEI

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