教員ってしんどいこともあるけど、なんだかんだ楽しい仕事です
4月1日。新学期、新学年が始まります。
昨年度は6年振りに中学1年生の担任でした。新型コロナが子ども達や家庭に与えた傷跡をもろに感じながら、これまでの常識や価値観が通用しないクラス運営の難しさや、変化が激しい学校現場の状況に振り回されながら。とにかく持てる力や技を全て駆使して、奮闘しながら教育に向き合った大変な一年だったなと振り返ってみて感じます。
教育現場で起こる出来事はポジティブなものよりもネガティブな話題の方が拡散もされやすいですし、インパクトも大きく、様々な人たちの目を惹きやすいのも事実です。
「学校って拘束時間の割に賃金安いしブラックだよね。」
「保護者対応って大変そう。」
「いじめが起きたらちゃんと対処できるの?」
教員を取り巻く環境は年々複雑になり、こなさなければいけない業務の内容が難しくなっているのは間違いなく事実です。
ですが、それでも、私は教員という仕事が大好きですし、日々色々ありますがそれでも楽しい仕事だなとも思っています。
いま教員が不人気と言われる時代ですが、声を大にして「教員って仕事、案外悪くないよ。」とこの場を借りて多くの人たちに伝えたいです。
教員の仕事は、子ども達の未来に触れること
今後社会は予測不能な時代に突入していくと言われて久しいですが、日本の子ども達をとりまく環境についても少子高齢化や国際化の影響を大きく受け、一段と厳しくなっていくことが予想されています。
学校現場においても社会の変化に合わせるように、子ども達が答えのない問いにぶつかり、それを解決していく術を学校で学ぶ機会が増えました。
昔から学校現場で行われていたような講義を聞き、黒板に書かれた板書内容をノートに写し、問題集にある問題を解くだけの学びでは現代の子ども達にとって不十分であると多くの人たちが気付き始めたとも捉えられます。
海外では「非認知能力」と呼ばれるコミュニケーション力や論理的思考力など数値化するのが難しい力について、様々な企業と連携しながら、自分の国の子ども達が将来職に就けず困窮してしまうことを防ぐため、どんなことを学校で学ぶべきなのか様々なデータをもとに分析し、より解像度の高い授業・学校教育を行っている地域も増え始めました。
アメリカの例です。この資料ではアメリカ国内の求人情報から企業が必要としている力を細かく分析し、どんなスキルを学生時代に身につけるべきなのか、州ごとの実態に合わせて提言されています。(英語のページです、ご興味あれば。)
ひと昔前と違い、現在の教員の仕事は教室でただ教科書の内容を教えるだけではなく、子ども達と一緒に悩み、対話し、模索しながらまだ見ぬ未来に向かって挑戦していくおもしろさがあります。
子ども達ひとりひとりの未来に触れ、共により良い人生を目指すことができる教員という仕事は、世間が言うほど悪い仕事じゃないなと私は日々強く感じています。