いい夫婦の日に家族で考えてみたら「良妻賢母」の対義語は「働夫細父」になったでござるよ
お疲れさまです。uni'que若宮です。
今日は「いい夫婦の日」らしいので、ちょっと前から思っていた疑問について調べてみました。
それは「良妻賢母」についてです。
そこで今日は「良妻賢母」をきっかけに考えたことについて書きたいと思います。
「良妻賢母」の対義語は?
「良妻賢母」という言葉があります。
日本の昭和的なというか、伝統的なママ像を表わす言葉ですが、ずっと疑問におもっていたことがあります。それは「良妻賢母」の対義語ってなんだろう?っていうこと。
そこで、「良妻賢母 対義語」ってググってみたところ、こんな記事を見つけました。
この記事がけっこう衝撃で、いろいろ考えさせられることに。
「賢妻良母」じゃないの??
まず衝撃だったのがこちらです。
「良妻賢母」と似たような表現に「賢妻良母(けんさいりょうぼ)」という言葉があります。この言葉は日本ではなく、中国で使われている言葉です。一見すると同義語にも見えますが、2つの意味は少し異なります。
「賢妻良母」の意味は、「夫に対して賢い妻であり、子に対しては優しく慈しみある母であること」です。中国では、夫に対しアドバイスできるような女性が理想とされているようです。
これ、けっこうすごくないですか?
中国では「賢い妻」がいいとされるのに、日本では「良き妻」がいいとされてるっていう・・・
僕個人としては「賢妻良母」のほうがまだいいんじゃないかと思うのですが、ここにはジェンダー論的にもけっこうやばいアンコンシャス・バイアスがあるとおもうんです。
先日、フランス大使館主催のこんなイベントに登壇したのですが、
その時にもちょうどそんな話が出ていました。
それは「女性なら東大にいかないほうがいい」という親がいる、という話。
なぜだか日本では賢い女性は敬遠されるので、能力が高くても低いことにする、っていう、、、なんだかもう本末転倒の鬼みたいな話です。そういえば大学時代、同級生が「美容院とかで大学きかれても東大って言わない」と言っていたのを思い出しました。
それから、イベントでご一緒させていただいたはらだ有彩さんが『日本のヤバい女の子』という面白い本を書かれているのですが、
その中に「おたふく」さんの話が出てきます。これがなかなかひどい…
おたふくさんって能天気ににこにこしているみたいなイメージかもしれませんが、実はとても賢い女性で、夫がした大失敗に、すごくいい助言をして助けるんです。
そこまではいいのですが、その後が衝撃的。
おたふくさんは「女性に助言して助けられたなんて知られたら夫の顔に泥を塗る」と考えて、なんと自害しちゃうっていう。
えええええええええええええ!!ちょ!なんで死んじゃうの!!??
日本ではどうも昔から、女性は男性よりも劣っていないといけない、という考え方があるようです。なんで女性が賢いといけないんだろう、、、?
これはもう謙譲とかそういう美徳の次元の話じゃないです。呪縛です。
男性の下らない見栄のために女性が能力を発揮せず隠しているって、ほんとうに勿体ない。今でも実際企業とかでは、男性が女性の同僚にマウントしたりナチュラルにマンスプレイニングや女性蔑視をしたり、お酌とか「上」扱いしてくれないと気が済まないおっさんもたしかにいたりいますが、そんな風にしないと上になれないなんて哀れだとおもいます。女性がすごい能力をもっているなら、それをリスペクトして自分も負けずに頑張りゃいいだけの話じゃないでしょうか・・・
以前、こちらの記事を書いた時、男性陣からいただいた反論で1番多かったのが、
「能力主義なんだから、わざわざバランス調整するとか必要なくね?」っていうものでした。でも、そもそも女性が能力出せない社会になってるんですよ?ぜんぜん本気出せてないんですよ?
「賢妻」すら認めれていないんですよ?それを見直していかなくていいないわけがなくないですか?
男性は「愛妻家」でいい???
もうひとつ先ほどの記事で衝撃的だったのが、
「良妻賢母」の対義語には、「愛妻家」と「毒親」を紹介します。
「愛妻家(あいさいか)」
意味は「妻を人並み以上に大事にする夫」です。「良妻賢母」の“妻が夫を支えている”というニュアンスの逆を表していることから対義語と言えます。
これです。
女性には「良い」とか「賢い」を求めるのに、男性は「愛妻家」、、、?
妻を愛するのが美徳なの…?いやそれ前提じゃないの…?
だって女性には「愛夫家」って言わないですよ…
あと、「父」の役割を表わす言葉がないっていうのもあれですよね。男性が育児に参加すると「イクメン」ってわざわざ言われますが(「イクママ」って言わないのに)、日本ではまだまだ、男性に子育ての役割が入ってない。
↓の記事にもある通り、共働きしていても相変わらず家事や育児は女性がやるもの、っていうバイアスがある。
日本社会の中でどんな時に不当に扱われたと感じたか? という質問(複数回答可)で最も多かったのは、「家事分担の話し合い中」で33%。次に「職場」30%、「夫・元夫から」が27%と続いた。
そりゃあ「 グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」が153カ国のうち、121位とかになるわけです。
以上みてきたように、
良妻賢母 ⇔ 愛妻家
と対比には、すでに
・女性は賢くてもその能力を出したらダメ
・男性は妻を愛するだけでスゴイ
・育児や家事は女性の役目
というようなアンコンシャス・バイアスが入っているんです。
「良妻賢母」の対義語を考えてみた
じゃあ、「良妻賢母」の対義語ってなんだろう?と考えてみました。
「良夫賢父」?
でも、「良い夫」ってなんでしょう?
「いい夫婦の日」もそうですが、「いい」ってほんとは一つじゃなくって色んな形があっていいはず。
そこで急遽、おうちワークショップを開催し、「良妻賢母」の男性バージョンを考えてみることにしました。
まず最初に、家族にそれぞれ、「お父さん(僕)を漢字一文字で表わすとなんだとおもう?」と質問して、漢字を出してもらいました。
こんなのが出ました。
いや、、ていうか雑すぎないか君たち…
「人」って…まあ人だけどさ…(そして「謎」ってなんだ…)
まあこれはジャブなので次に進みます。今回の主旨を説明して「良妻賢母」の男性バージョン、「◯夫◯父」にいれる、こういう夫だったらいいな、こういう父だったらいいな、とおもう漢字一文字をだしてもらいました。
■結果発表
夫部門はこちら
父部門です。
この中から、それぞれ1番望むことは、と選んでもらい、できた四文字熟語がこちらです。
妻からの「もっと働け」、娘からの「もっと痩せろ」、というプレッシャーをひしひしと感じる結果となりました。ぴえん
「いい夫婦の日」はすてきな日だと思いますが、「いい」が典型的な一般論とか理想論になって「あるべき」になってしまうとかえって苦しくなり、夫婦の関係のために良くない気がします。
女性の方が賢くたって、稼いでたっていいし、どっちかがポンコツな方が「いい」夫婦だってあります。
「いい夫婦の日」に、みなさんもパートナーや家族と、自分たちの「◯妻◯母」や「◯夫◯父」を考えてみませんか?