次世代のグーグル・アマゾンが生まれるかもしれない? 世界で拡がるコロナ対策バーチャル・ハッカソン #TheGlobalHack
新型コロナウィルスの感染拡大が歴史的な大きな課題として世界中に拡がる中で、医療従事者、患者、政府・行政、市民等、あらゆる社会の構成員が抱える課題を解決するべく、テクノロジーを活用したウェブサービスやアプリを作り出す動きとしての「バーチャル・ハッカソン」がますます拡がっていると感じます。
例えば本日4月10日時点に現在進行系で行われているエストニア発のバーチャル・ハッカソン『The Global Hack 』はSlackチャンネルに世界中から8,000人以上がオンライン上で参加し、4月12日までの週末を利用して教育、メディア・エンターテインメント、メンタルヘルス、環境、行政、アクティビズム、仕事、経済、健康・ウェルネス、エンパワーメント、アート・芸術、災害対応など、事前に掲げられたテーマに基づいたプロダクトを開発することになっています。
エストニアは以前から電子政府政策などのデジタル化促進に関して国を挙げて取り組んできたことでも知られていますが、3月中旬にはエストニア政府機関の「Accelerate Estonia」とハッカソン運営団体の「Garage48」が中心となりオンラインハッカソン「Hack the Crisis」を実施、20カ国から約1,300人が参加し、いくつかのサービスが行政サービス等で利用される事例を生み出しています。
例:ハッカソンでから生まれエストニア政府採用したサービス「SUVE」
Covid19に関する問い合わせに自動チャットボットで回答するサービス。4/8時点で14,000件の問い合わせに対応したとハッカソン運営者が動画インタビューで紹介しています。
こうした国内での取組の成功を引き継ぐ形で開催されている『The Global Hack 』は既に世界中の40以上の地域のハッカソンとも連携を取りながら進められています。エストニア大統領、ケルスティ・カリユライド(Kersti Kaljulaid)氏もツイッターで多く人の参加を呼びかけています。
(ハッシュタグは #TheGlobalHack)
エストニア発で生まれた取組ですが、サービスを審査したり、アドバイスを提供するメンターにはリード・ホフマン氏(リンクトイン共同創業者)、サム・アルトマン氏(Open AI CEO)などのシリコンバレーの著名起業家・ベンチャーキャピタリストや、科学者、シンクタンク、UNDPなど国連機関の代表などが名を連ねています。
長期戦で挑むことが日に日に現実的になりつつある新型コロナウィルスとの闘いですが、グローバルな課題解決サービスに対して政府やベンチャーキャピタリスト、既存巨大テック企業の支援も得ながら、次世代に必要とされるサービス、プロダクトがこうしたグローバルハッカソンの中から生まれて来るような気がします。
こうした形でものすごいスピードで世界中の優秀な人材がしのぎを削り、会ったことがないエンジニア、デザイナー、ライター、マーケター同士が国境を越えたチームで協業していく様は圧巻です。こうした取組の中から果たして次世代のグーグル、アマゾンがすぐに生まれるかは分かりません。ただ、志を持った起業家、技術者が腕試しをする過程を通じて、優れたアイディアやサービスの誕生、そして将来の仲間、パートナー、投資家との出会いの可能性は十分にあるのではないかと思います。
国内でもITスタートアップがサービスの無償提供を始めたり、少しずつ行政サービスの中に民間テック企業の知見、データが取り入れられるケースが増えてますが、海外との連携も視野に入れつつ、よりよい形で拡がっていくことを期待しています。
・内閣官房新型コロナウイルス感染症対策(https://corona.go.jp/)
・全国医療機関の医療提供体制の状況(政府ICOポータル)
今回はエストニアのハッカソンをご紹介しましたが、既に世界各地のバーチャル・ハッカソンのプラットフォームサイトもあり今後も様々な取組が追加されていくことと思います。
・Devpost (https://devpost.com/hackathons)
・MIT Innovation Initiative Global Project List
いずれハッカソンの受賞結果が発表された時点で、日本での取組にもヒントになりそうなアイディアや事例などもご紹介出来たらと思ってます。
*もし具体的な事例調査の必要性をお持ちの方、或いはこうしたリサーチの取組に参加することにご興味をお持ちの方はお気軽にメールにてご連絡いただければ幸いです。 Twitter経由でも歓迎です (@socialcompany)。
[参考記事]