よい本は4つの「き」をくれる 〜知識/元気/気づき/ため息
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よい本は4つの「き」をくれる 〜知識/元気/気づき/ため息

お疲れさまです。uni'que若宮です。

今日はちょっと「よい本ってどんな本だろう?」と考えてみたのでその話を書きます。

よい本がくれる4つの「き」

自分にとってよい本、よい読書体験ってどんなのだろう?と内省してみたところ、4つの「き」をくれる本じゃないか、という気がしてまいりました。

4つの「き」というのは

①「ちしき」をくれる (know-how価値)
②「げんき」をくれる (energy価値)
③「きづき」をくれる (thought価値)
④「ためいき」をくれる (poetry価値)

です。

これらは、横軸に「わかりやすい-わからない」軸縦軸に「頭-からだ」軸を取ると4象限にマッピングできそうです。あるいはちょっと言い換えると横軸は「solution-question」軸、縦軸は「logical-emotional」軸ということもできます。

マッピングするとこんな感じ。以下一つ一つ説明していきます。


①「ちしき」をくれる(know-how価値)

まず、右上の第一象限は「知識」のゾーンです。頭で受け取るもので、わかりやすいもの。「デジタルマーケティング10の法則」みたいな実践的なノウハウ本で、わかりやすいのでsolution的であり、知っていると役に立つ、いわゆる「使える」本といってもよいでしょう。

②「げんき」をくれる(energy価値)

次に横軸の正の側でその下は「元気」ゾーン。solutionのうちでももう少し身体というかemotion寄りのもので、たとえば偉人のhard thingsからサクセスストーリー的な自叙伝だったり、小気味よいエッセイなんかがこのタイプでしょうか。読むと明るい気持ちになって活力が湧いてきます。

③「きづき」をくれる(thought価値)

3番めは横軸が負、縦軸が正の「気づき」ゾーン。ここは「知識」ゾーンと同じくlogicalな頭のゾーンですが、こうしたらよいよ、という「答え」をくれるわけではなく「そうか、これ本当はどういうことなんだろう?」というような思考のきっかけをくれる本です。哲学書などがその典型ですが、知識のようにわかりやすくなく「明日から使える」solutionではないのですが、むしろわかったつもりでいたことをわからないものに変えてくれる「問い/question」として思考の運動を読者の中に生み出してくれます。

④「ためいき」をくれる(poetry価値)

最後に、横軸・縦軸共に負の象限が「ため息」ゾーンです。これはlogicalなものというよりは身体的あるいはemotionに働きかけますが、②「元気」ゾーンと比べると必ずしもわかりやすく楽しめるものではなく、先程の③「気づき」のゾーンと同じく「わからないquestion」の方向に読者を導き、なんとなくモヤモヤした独特の読後感が残ります。純文学やギリシャ悲劇、和歌なんかがこのゾーンの典型です。

(このゾーンは最初「どきどきをくれる」と置いていたのですが、それだと②の元気ゾーンとかぶるところもあるなあと思い長女に相談したら「ためいきをくれる」の方がいいんじゃない?と言われ、そっちの方がいいね!となりました。必ずしも「幸福感」だけではないふるふるする葛藤感があるんですよね)


4つの思考類型

また、これらの4象限は「思考の類型」としても考えることができそうです。

①「知識」ゾーンと②「元気」ゾーンはsolution側にあり、課題解決的な価値を持っています。本を読むことで何かができるようになる、ということです。このうち知的な解決がロジカル思考的な価値だとすると、読者の身体やemotionに働きかける本はデザインやエンタメのような力だと言えるかもしれません。

「わからない/question」側にあるもののうち、頭の領域である③「気づき」ゾーンは哲学思考、身体に働きかける「ため息」ゾーンは④アート思考的な感じということもできるかもしれません。

横軸の正と負、solution vs questionで比べると、solutionの方が「わかりやすい」ため、ベストセラーになったりハリウッド映画的にマスに受けやすいといえるかもしれません。それに比べるとquestion側はややわかりづらいのですが、だからこそ読者の中に自発的な運動を生み、口コミで長く読まれる傾向がある気もします。

ある程度2軸で分類できるとはいえ、一冊の本はそのどれかにだけ当てはまるというものではなく4つすべての性質をもっており、相対的にみてそのどれがより比重として強いか、というイメージで考える方が実態に合っているでしょう。

(実際、僕は本を書く時には(本に限らずVoicyなど何かを発信する時も)この4つの価値をそれぞれバランスよく盛り込んでいる気がします。その上でなんとなく、いまのビジネス界や資本主義社会ではどうも①や②の方が強めなので、個人的に③や④をより重視している気もします)


記事や本を書いて発信をされている方は改めて今回の4象限で発信価値のポートフォリオを考えてみてはいかがでしょうか。


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若宮和男 (起業家 / アート思考キュレーター / 福岡女子大客員教授 / ランサーズタレント社員)
東洋経済「すごいベンチャー100」uni'que CEO、 ランサーズタレント社員 (最近の興味)編み物としての建築←コアバリュー、アート思考、新しい働き方、新しい教育 ←DeNAで新規事業 ←NTTドコモで新規事業 ←美学藝術学研究者 ←アート・音楽イベント主催 ←建築士