2018年の市場に漂う「1988年」の既視感
年明けの株式市場にどこかで見た感じが漂っている。日本株が本格的なバブル入りした1988年だ。ブラックマンデー(世界同時株安)をいち早く乗り切ったという高揚感。30年前とは思えない出来事が、今また繰り返されようとしているのだろうか。
バブルを膨張させた要素を整理してみよう。まずは87年10月のブラックマンデーを、日本が最初に乗り切った。次に85年9月のプラザ合意以降の円高に、ようやく歯止めがかかった。そして円高不況の懸念をものかは、日本は予想外の好景気を謳歌した。
世の中が落ち着きを取り戻したという安堵感が、88年のユーフォリア(多幸症)を生んだ。それに比べれば89年は、上げ相場の慣性によるバブルの爛熟(らんじゅく)期といえよう。
88年当時とこの18年との間で、共通点は意外に多い。何よりも景気回復局面で金融緩和が続き、実質金利はマイナスに突入していく。2%インフレの達成は難しく、消費再増税を控え、本格的な金融引き締めは思いも寄らない。30年前の原動力は不動産と株式の相互作用だったが、今は日銀が本尊となったマネーの供給。永野健二著「バブル」はすでに起きた未来を描いているようだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25334330U8A100C1000000/?df=2
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