副業/兼業、とにかくガンガン推進していこうぜ
僕はこの日経comemo でも、Voicyでも、その他の場所でも、とにかく副業、兼業をガンガンしていこうぜ、なんでダメとか言っている会社がまだあるの?という話をし続けている。
副業、兼業に関する記事が出たらとにかく食いつくことにしている。そして同じことを何度でも言う。
この記事によれば、
だそうだ。5社に1社以下。
これはいったい、なんなんだろうか?
副業とか兼業というのは、当たり前だが、業務時間外でやることである。業務時間内でやるのはいかん、というのは理解できるのだが、これ、業務時間外の話だ。それを「認める」とか「認めない」というのはどういう了見なのかと。
この社説では「経営側からすれば自社の業務に集中してほしい思いはあるだろう。」とあるが、自社の業務をしっかりやれば、業務時間外で何をやろうが関係なくはないだろうか。例えば、業務時間外で、趣味でサーフィンをやる。これはどうだろうか。自社の業務に集中してほしいから、サーフィンはやめてくれ、と言うのだろうか。そんなことはないだろう。
サーフィンは、リラックスにつながる。だからこれはいいのだ、リラックスしてもらい、また自社の業務をしっかりとやってほしいのだ、と会社は言うだろう。では、副業、兼業は、どうだろう?サーフィンと何が違うのだろう?副業、兼業もリラックスにつながる、としたら、これをダメということはできないはずだ。それで何が不満なのだろうか?なぜ、「認めない」のだろうか?
さらに、副業、兼業をすることによって、新しい人と出会い、新しいことに取り組み、新しい発想が生まれたりする。これは、「クリエイティブな仕事」だけではない。例えば、通常はパート、アルバイト的な要素で捉えられる、スーパーでのレジ打ちで考えてみると、学びになることは多いと思う。
人はどう言葉をかけると笑顔になるか、どういう表情だと不愉快になるのか。どういう年代のどういう属性の人が、どの時間にどんな買い物をするのか。そして、レジ前はいつ、どのようにボトルネックが生まれるか。
仕事は全て、学びを得るための宝の山となる。こういう学びを「本業」に持ち込めば、経験がない人と比べると、明らかに新しい視点が出てくるように思う。それを捨ててもいいのだろうか。
大前研一さんはこう言う。
副業、兼業は、この「変化」を生み出すために最適だ。時間配分も変わる。(仕事を行う)場所が変わる、付き合う人が変わる。行動が変わることで、その人は成長する。しかも業務時間外だ。これで何が問題となるのだろうか?
我が社にはイノベーションが必要だ!と経営者は言う。しかし副業、兼業は認めなかったりする。これは明らかに矛盾している要素がある。もちろん、「兼業、副業=イノベーション」ということではないが、新しい人と出会い、新しい場所に触れ、新しい仕事に触れるとことで、イノベーションを生むために必要な「柔らか頭」になりそうなことくらい、経営者もわかりそうなものだが。
副業、兼業を「認めない」会社は、そういう「イノベーティブ脳」は社員に不要だ、と考えているのだろうか。仮面ライダーのショッカー、スターウォーズの「ストーム・トルーパー」みたいな存在(つまり、個性がなくキーキー言って指示通り戦うだけの兵隊)でいいのだろうか?
まさか、他社を見たら羨ましくなって転職したくなるだろうから、それを避けたい、なんていうことは、、、流石にないと思うが、万が一そうだとしたら、それって「社員は思考停止しておけばいいのだ!」ということになってしまう。まあそんな「賭博破戒録カイジの帝愛地下帝国」的な発想の会社も存在しないだろうが。
そんなことはないだろう。
そして会社も、「我が社は終身雇用で、安定した雇用を保証するから脇目もふらず集中してくれ」と胸を張って言えるならまだ理解できる。
しかし、そんなことを今の時代、本気で言っているとしたら、経営環境認識としてむしろ大丈夫なのか?となる。
終身雇用はできません、副業兼業も認めません、ではおかしいでしょう、と考えるのは僕だけだろうか。
長くなった。要するに、会社はとっとと副業、兼業を「解禁」していこうぜ、という話。それが最終的に、会社を成長させるための有効な手段となるのだ、と考える。
どうだろう。副業禁止な会社の経営者のみなさん。
(photo by Aflo)