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マーケティング担当者が参加すべき「賞」や「イベント」:下半期

マーケッターは、外部からの刺激も重要

 マーケティングの仕事を行うと、市場や消費者、利用者のことを仕事にしていながら、意外にオフィスや職場にいる時間が長くなり、市場の観察や、消費者と接する時間が減ります。マーケティングの仕事の質の向上のためには、マーケッターが意識的に、外部に出て、外部からの刺激を得ることが重要です。

 その意味もあり、前回のnoteの記事で、2022年の上期に参加すべき「賞」や「イベント」を紹介しました。今回は、その下期版です。ぜひ参考にしてみてください。

7/20 カンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバル

 さて、下期の最初のイベントは、広告クリエイティブの領域で、日本の方に一番馴染みのある、「カンヌライオンズ国際クリエィティビティフェスティバル」です。以前は、「カンヌ国際広告祭」という名前でしたが、現在はこの名前に変わっています。

 マーケティングの中で、商品、サービス、企業の価値などを関係者とコミュニケーションすることは、重要です。このコミュニケーションは、時代や、生活者の考え方の変化に合わせる必要があります。世界のトップクリエーターが集まる、このイベントでは、最新のクリエィティブの提示や、最新のコミュニケーションの考え方に触れられる、良質な「学びの場」です。

 日経新聞でも、クリエイティブ・ディレクター 杉山恒太郎 氏の連載があり、とても参考になります。

 ちなみに、私が気に入っている広告は、以下のロンドンの屋外広告です。これは、まさにデジタルを活用した、インターラクティブな広告です。ロンドンのピカデリーサーカスの上空を通る飛行機に合わせて、屋外広告の上空を飛ぶブリティッシュ・エアウェイズの飛行機の情報が出るのです。そう、これは広告でもあり、情報なのです。そして、このように屋外広告も、デジタルな広告になるのです。

 世界の最新のマーケティング・コミュケーションの事例を見ることで、私たちマーケッターは、自分達のコミュケーション・プランニングのヒントが湧くのではないでしょうか。

9/15 東京ゲームショウ2022

 「ゲームショウ」って、ゲームマニアのイベントでは、と思うかもしれません。しかし、近年のゲームは、最新IT技術のショーケースです。VRや、リアルタイムのコンテンツ配信など、使われているIT技術は、マーケティング・コミュニケーションに使える技術も豊富にあります。

 日本でも、CESのような技術に特化した大型イベントがあれば良いのですが、それに変わる日本のイベントが、この「東京ゲームショウ」なのかもしれません。

10月 グッドデザイン賞発表

 グッドデザイン賞は、商品のコンセプトや、商品のデザインや、パッケージデザインを対象としており、「製品企画」を行なっている方には、とても参考になる賞でしょう。どのような、商品デザインが流行り始めているのか。日本で活躍しているデザイナーは、誰なのか?このような情報に触れることができます。

 特に、近年では、デザイン自身が、商品コンセプトの説明になることも多くなりました。また商品を使う人の、ユーザービリティーの向上も、商品設計には重要な点になっていると思います。

 そして、何より、近年マーケッターは、大変忙しく、自社の商品デザインは知ってますが、競合のデザインをあまり見る時間がないかもしれません。また、異業種の商品のデザインにも、ヒントがあるでしょう。意識的に、この賞を通じて、他社のデザインに接することも重要なことでしょう。

10月下旬 2022 62nd ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS発表

 こちらは、日本での一番大きな広告フェスティバルでしょう。このACC TOKYO CREATIVITY AWARDSで、今年の広告のトレンドを理解して、来年のアイディアを考え始めるマーケッターも多いのではないでしょうか?

 このACC TOKYO CREATIVITY AWARDSも、多彩な受賞者を生み出しました。

 主催者の一般社団法人ACCのサイトでは、過去の受賞リストも掲載されています。新人のマーケッターの良い教材になるでしょう。そして、俯瞰してみることで、マーケティングのコミュニケーションの変化も感じることができるでしょう。

 そして、実はこの賞は、もっとマーケッターが主体的に参加して良い賞でしょう。マーケッターで、「広告」を担当しているのであれば、積極的に「広告」をこの賞に応募して欲しいのです。審査員から審査されるということは、滅多にないチャンスです。そして、この賞が盛り上がれば、それだけ、マーケティングのコミュニケーションの領域の関係者の取り組みも増えるでしょうから。 

12月1日 第10回WEBグランプリ贈賞式

 最後に紹介するこの賞は、創設に私も関わらせていただいた賞です。広告主の団体である、公益社団法人 日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構が主催している、Webやインターネット空間に特化した、賞になります。

 この賞にはいくつかの部門があり、Web空間の発展に貢献した、「Web人賞」というものもあり、少しユニークかもしれません。

 そして、企業のWebサイトの担当者にとっては、とても学びの多い「賞」なので、ぜひ今年は参加してみてはいかがでしょうか。


意識的に外に出る

 今回の「賞」「イベント」の紹介は、マーケティングを行なっているみなさんに、会社の中に篭りすぎるのではなく、外に意識的に出て頂きたく、そのキッカケとなればと思い紹介しました。

 日本の経済成長の低さが問題になっています。それは、マーケティングの現場の成長率の低さも、一つの要因でしょう。ぜひ、マーケッターが、今までにない、面白いアイディアでマーケティングを行い、日本の経済成長に貢献できれば。そのためにも、ぜひ外に出て、「情報・刺激」を得て、「新しいアイディアを創出」しましょう。



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本間 充 マーケティングサイエンスラボ所長/アビームコンサルティング顧問
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