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リモートワークはコロナ対策だったのか、これからの働き方のステップになるのか

今年も残り約1ヶ月。2021年も引き続き新型コロナウイルスに翻弄された1年になりました。東京では緊急事態宣言が解除されてから徐々にオフィス回帰の話が増えていますが、宣言解除から1ヶ月以上が経過して「もう大丈夫かも…」というトーンになってきてから、より一層リモートワークは終了、皆オフィスへ!と言う感じが強くなってきました。

21年7~9月の緊急事態宣言(一部地域は8~9月、まん延防止等重点措置を含む、以下同)の最中におけるテレワークの実施頻度を尋ねたところ、「週3日以上」と答えた人は54.0%だった。つまり過半の人がテレワーク中心の働き方だった。
緊急事態宣言が全面解除された10月以降について聞くと、週3日以上テレワークする人の割合は40.8%だった。緊急事態宣言の全面解除により、同割合は13.2ポイント下がった格好だ。この調査は10月の宣言解除直後に実施した。11月に入ってからは、さらに出社回帰が進んでいるようにも感じる。

先日も大阪のDemo Dayで色々な企業の方とお話しする機会がありましたが「もうすぐ100%出社に戻るんですよ」とおっしゃっていた方も。一方で、NTTやYahoo! Japan損保ジャパンメルカリなどの”基本リモートワーク”の働き方を進める企業も出ており、二極化傾向がみられます。大企業だけではなく、スタートアップもオフィスに集まることを重要だと感じる企業もあれば、効率性を重視して完全リモートにしているところも。

リモートワークを継続して望む人は生産性の向上や通勤時間の有効活用を挙げる一方で、記事にもある通りその”生産性”についてはこんな調査結果が出ているようです。

それなりの成果を出した企業や人がいる一方で、いまだ4割超の人々が「生産性が下がった」と感じているのもまた事実だ。21年7~9月の調査で「100超」つまり生産性が上がったと答えた人の割合は18.9%と2割に届かなかった。これらの結果を踏まえると、日本における働き方改革は、まだ十分とはいえないだろう。

生産性についてはリモートワークだから上がったのか下がったのか、職種によって違うのか、本当はもう少し詳細調査が必要だなと思っているのですが、なかなか踏み込んだ調査がないのが現状。どこかやってくれるといいのですが・・

話を出社回帰の話に戻しましょう。先日、Plug and Play Japanでもオフィスへの出社やリモートワークの意向についてアンケートを取りました。様々な意見をもらい、個々が働き方で大事にしていることや成果を出すためのスタイルなどを知ることができるとてもいい機会でした。その中でオフィスの在り方についての意見も色々ありました。

「プライベートと仕事の境界線が曖昧で切り替えが難しい」や「住環境がリモートワークに適していない」「メンバー間のコミュニケーションが十分ではない」などの理由でオフィスをうまく使いたい、という意見です。先日、長くリモートワークを実施したことによってメンタルの不調を訴えている人が増えているというお話を伺いました。

そのため、リモートワークが前提であってもオフィスはオープンにして、いつでも出社していいようにしたり、ランチ会を企画してオフィスに来て人と話すような機会を作る、などの取り組みを進める企業も。

リモートにも出社にもそれぞれメリットとデメリットがあります。また人によってもそれぞれ異なるため、どちらにしたから”いい”ということではありません。リモートか出社ではなく、可能であれば人によってそれぞれ選べるのがいいのですが、人事の方々のお話を聞いていてもまだ決めきれない部分も多く、企業側の苦悩はまだまだ続きそうです。

初めに挙げた記事にもこんな記載が。新型コロナ対策はきっかけの一つに過ぎません。新型コロナの感染状況が収束しそうだから出社回帰・・・というシンプルな話にならないように、議論と挑戦が続くことを期待したいですね。

日本でテレワークが浸透した直接のきっかけは、新型コロナ対策にあった。だが、その本質は働き方改革であり、生産性改革であり、デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた準備だったはずだ。ここを見誤ると、ニューノーマル(新常態)の時代におけるデジタル競争に取り残されてしまう恐れがある。

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