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映画「スーパーマリオ」のヒットと、経団連の提言が示唆する、日本のコンテンツ産業。

MintoのCEO 水野です。SNS・Web3領域で漫画・アニメ・キャラクターなどをクリエイターと共に創っています。[会社紹介はこちら]

今回は、映画「スーパーマリオ」の世界的なヒット、経団連のコンテンツ産業の提言、コンテンツ系スタートアップの発展、それぞれ、別の事象のようで、実は繋がっている事を書いていきます。


映画「スーパーマリオ」の世界的ヒットが示唆する事

4/5に米国から公開された映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」は、既にグローバル興行収入が約12億1800万ドル(約1678億円)を超え、歴代アニメ映画のトップ「アナと雪の女王2」に追いつく勢いです。

任天堂とILLUMINATIONの共同制作で、世界的大ヒットに (任天堂HPより)

映画を観た人なら分かる通り、とにかく原作(ゲーム)の世界観に忠実…!! そして、原作では分からない事象も丁寧に描かれて、映像/音響効果も相まって没入感があり、ファンならば誰もがスッキリした気持ちになる作品だったと思います。

映画評論家には不評という話も出ていますが、おそらく映画作品単体でのユニークなストーリー、新しい発見が少ないという点に起因するのではと思います。逆に、それを上回るエンタメ体験価値が、本作にはあったと思いますし、それが公開後口コミで大きく広がった理由かと思います。

実際、僕も映画を観た後の感覚は、テーマパーク施設を体験した後に感じる爽快感が一番近かったと思っています。もう一度体験したい or ゲームをPlayしたい!というあの感じ…(下記、考察記事も非常に参考になります)

アニメ映画という観点だと、昨年公開された「THE FIRST SLAM DUNK」も、映画ではありながら、湘北高校 対 山王工業戦のバスケの試合を間近で観ているような没入感と、試合後の満足感に近い感覚があったと思います。

この2作品は、いずれも原作の発表から30-40年が経過していますが、

・新しいテクノロジーを活用して没入感を感じさせる映像表現
・原作者が自ら作品に関わり、世界観の維持/拡張表現(映画、原作、その他派生作品の繋がり)

などで、新しいエンタメ体験価値を生み出しています。「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」のヒットを見て、日本発コンテンツIPにとって、アニメ映画化はコンテンツIPを再興し、世代を超える方法として、今後、増えていくのでは?と思えました。ワクワクですね。

経団連のコンテンツ産業提言書を読み解いてみる

次に、別のコンテンツ産業視点から。ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーが米国で公開された4月に経団連からコンテンツ産業への提言書が発表されました。

詳細は、お時間のある時に読んで頂くとして、ざっくりまとめると…

市場性
・コンテンツ市場は世界的に伸びると予測(149→183兆円)
・日本発コンテンツは海外市場の伸びが凄い。実績で3倍(1.4→4.5兆円)
・日本発IPはIP経済圏ランキングTOP25の約半分を占める
・一方で日本国内コンテンツ市場成長率は、主要国最低(年2.3%)

課題とやるべきこと
経団連提言資料から、以下3枚のスライドがわかりやすかったので、そのまま、引用させて頂きました。

https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/027_gaiyo.pdf

今後、重要になってくるコンテンツの市場は、海外市場、または、インバウンド(海外からの日本観光等)。国内だけに留まらない市場開拓が必要になってきます。

また、産業として多くの人に就労してもらうには、クリエイター・プロデューサーなどの人材の育成・待遇の改善も必須になってきます。

これらを民間だけでなく、官民一体で実現していこう、というのが経団連の提言の趣旨で、方向性を示したという意味でコンテンツ業界にとっては、意味があり、個人的にも共感する部分は多かったです。

スタートアップとしての役割

最後にスタートアップの視点から。コンテンツIP領域のスタートアップは、VTuberのように全く新しいIPを生み出して、ファンを獲得したり、Web3領域のように新しいサービスや付加価値を志向する企業が多いと思います。これはコンテンツ企業というよりはテクノロジー企業の考え方か基盤だからです。

一方で、既存のコンテンツ産業/市場を大きく伸ばしていくためには、既存のIPホルダーやコンテンツ事業者と連携し、課題を解決していくスタートアップも、もっと必要なのではないか? と、僕は、改めて思うようになりました。(敢えて言葉を選ぶなら、コンテンツ産業のDX)

なぜなら、冒頭の例にあるようにスーパーマリオやスラムダンクのヒットに限らず、グローバルで再興する日本発のコンテンツIP(既に認知のあるIP)は、今後、益々増えてきます。グローバル化においては、デジタル・マーケティング、テクノロジーを活用した流通・制作ノウハウが必須であり、それらは、既存の国内コンテンツ企業が苦手としていて、スタートアップが得意な領域です。

弊社(Minto)でプロデュースを手がけたWeb3メタバース「The Sandbox」での
北斗の拳LANDの事例

繰り返しになりますが、経団連のコンテンツ産業への提言内容は、方向性としては、素晴らしいと思っています。一方で、実行できる企業があまりに少ないと思います。そしてスピード優先で実行するならやはりスタートアップの力を使うのが良いかな、と。

元々、日本のコンテンツ産業は、クリエイターをリスペクトし、IP及びファンを大事にし、業界内での連携を強く持ち、共存、協調して発展してきた産業です。(良くも悪くも…村社会と言われて久しいかと)。

であれば、その仲間に国内スタートアップ企業を巻き込んでもらう。逆に言えば、「コンテンツ企業の課題を解決するような事業作りができる国内スタートアップ企業を増やす」という事が、ひとつの解になるのではないかな?と思っています。

いずれにしても、日本のコンテンツが作品単位での勝負ではなく、コンテンツ産業として発展するには、この5年が勝負だと感じています。経団連の提言書では冒頭に「Last chance to change」と書いてありましたが、僕はコンテンツ産業とスタートアップ産業が同時に発展できる「Big chance to change」だと捉えてます。そう思いませんか?

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