"これから”を作っていくスタートアップにこそ多様性が必要
今週は3年ぶりにシリコンバレーの本社を訪問しています。6月のヨーロッパ出張の時は、まだPCR検査が一部必要だったり(特に帰国時・・・帰国に必要な検査で陰性になって大変だったのは今ではいい経験です)しましたが、今回は基本的に"コロナ前”と同じ。空港にも、機内にも人がかなり増えている印象です。
3年ぶりのシリコンバレー本社は、レイアウトが変わっていたり、デザインが変わっていたり。私が所属しているMarketingチームにもたくさんのメンバーがこの3年で入社し、毎週オンラインでのミーティングでは顔を合わせているものの、直接会うとやっぱり何か違うものを感じます。
さて、今回の出張では、Marketing関連だけではなく他の様々な、いつもなかなか話せないメンバーと”せっかく来たから”を理由に打ち合わせをするのももう一つの目的。その一人が、DRIVEという取り組みを進めているメンバーです。
このDRIVEというのはDiversity/Respect/Inclusion/Visibility/Equityの頭文字をとって名付けられたプロジェクトです。そのプロジェクトの一つに
FoundHERというイニシアティブがあります。
FoundHERは、投資家、メンター、起業家のグローバルネットワークを構築することで、女性起業家をサポートするイニシアティブとしてシリコンバレーで活動を開始しました。
昨年、日本ではPodcastのシリーズを展開したり、今年はデモデイであるSummitでスペシャルセッションを実施したりしました。
9月のSummitでの企画を考えている時に、世界経済フォーラム(WEF)が発表した「ジェンダーギャップ指数」の2022年版の数値が発表されました。日本はG7で最低だったというニュースが大きく取り上げられたことを覚えていらっしゃる方も多いはず。
”スタートアップ”というカテゴリにおいてもまだまだジェンダーギャップは多くあります。そしてこれからさらにスタートアップエコシステムを活性化していくためには、ジェンダーギャップの解消はもちろん、その先にある”多少性”にも向き合う必要があります。
シリコンバレーでは、私がGoogleに在籍している頃からダイバーシティ&インクルージョンについての議論が活発に行われていました。記事にもある通り、テクノロジーが人々の生活に影響を大きく与えるようになればなるほど、”人々”に向き合った経営判断をしなければなりません。
でもこれはビッグテックカンパニーだけではなく、”これから”のサービスを作っていくスタートアップも考える必要があることです。グローバルにサービスを展開するスタートアップはもちろん、仮に自国内だけだったとしても多様性は考える必要があります。
FoundHERから始まった取り組みは、"ジェンダー”だけではなく多様性に向き合っていく必要がある、ということでDRIVEが始まったとのこと。詳細はまだこれから公開とのことですが、コミュニティを作ることはもちろん、様々なパートナーと一緒に、社内外全ての方が学び、気づき、そして行動していける仕組みを作っていくそうです。公開できるようになったら、またぜひお話しできればと思います。
折りしも今日、6月に訪問したフランスのインキュベーション施設、StationFがプログラムの刷新を発表しました。
名前以外は全て変えた、とのことなのですがその一つにスタートアップ(創業者)の選定基準があります。3つあるうちの選定基準に”多様性”が明記されました。
来週はリスボンでWebSummitが開催されます。WebSummitを始めとするグローバルカンファレンスでも、多様性は大きなテーマです。登壇者の比率はもちろん、様々なセッションやブースでも取り上げられます。こちらもまた機会があれば取り上げたいと思います。