日銀法改正20年の読み方・・・

事実関係の把握と歴史的経緯を知らない向きも少なくない中、必読の記事だと思います。

この記事のポイントは2点と考えます。もはや従来と比較してインフレに怯える必要がなくなった(むしろインフレにならないことに怯えるようになった)今、「中銀の独立性がそもそも必要なのか」という問題意識が一点あります。近年、金融政策よりも財政政策の有効性に耳目が集まりやすくなっていることはこうした問題意識との関連と捉える必要があります。

その上で独立性付与を念頭に改正された新法が却って(人事介入を通じて)日銀の独立性を薄めることになったという不作為(?)という問題意識もあります。日銀と独立性に関し巷では「日銀に独立性を与えたらデフレ脱却が云々」という月並みな(安い)議論になりがちですが、記事で示唆された問題意識からはズレる話と思います。

それにしても最後に紹介されている福井元総裁の「(適切な政策運営で)大事なのは十分議論できるだけの識見を持った方々が正副総裁や審議委員になること」、「国民監視の下、内閣がそういう人を任命するようになってほしい」というのはこの上なく賛同できるメッセージです。新法改正後の展開に思うところがあるということでしょうか。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018033100303&g=eco

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