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今、IT第三の波がきているのだろうね

  おそらくこれを読んでいる方全員がChatGPTのことはご存知だと思うし、大部分の方が触ったことがあると思うし、そしてそのうち一定割合の方は毎日触っていることと思う。

 ビジネス界の知人は、みなただひたすらに、ChatGPTに没頭している。僕の友人がそういうセグメントにいるから、ということもあるかもしれないが、とにかく、そこにどういうチャンスがあるのだ、どう変わるべきなのだ、ということを、多くの友人が、触りながら必死に考えている。

 アカデミックの世界でも、話題はChatGPTでもちきりだ。先日、私がアントレプレナーシップ学部の学部長を務める武蔵野大学の入学式があったが、そこでお会いした学部長たちとはみな、ChatGPTの話で盛り上がった。

 国会でも、友人の中谷一馬氏(立憲民主党)が、ChatGPTを使って作った質問を岸田首相に行ったということがあったし、様々な要職にあられる方がこれをどうするか、コメントしている。

 95年のWindows95発売をきっかけとする商用インターネットの波、2007年のiPhone発売に始まるモバイルインターネットの波に続く「第三の波」レベルでのインパクトは間違いなくある。

 こういう波が来ると、必ず色々な意見が出る。もちろん肯定的な意見が多数ある一方で、
・ChatGPTが人間を超えることはない
・ChatGPTは有害だ
・ChatGPTは嘘ばかりついている
と否定する声も聞く。いろんな意見が出るのは健全だし、ChatGPTが圧倒的に不得意なところも確かにある。

 教育界では、これをどう活用していいのか/よくないのかの議論がそこかしこでされている。これは自分が答えたものかAIが答えたものかわからなくなる可能性があるため、おそらく、「ChatGPT 使用禁止」とする学校も出てくるだろう。

 インターネットも、最初は「こんなもの仕事には使えない」「インターネットは空っぽの洞窟だ」と言われていた。
 モバイルインターネットについてもそうだ。「iPhoneなんか仕事には使えない」「PCでないと○○ができない」という声が結構あった。

 ただ、私たちはこの「第三の波」から逃れることはできない。  
 ChatGPTを活用した作曲ツール、ChatGPTを活用した英会話練習ツール、ChatGPTを活用したプログラミングツール、、、という形で、単に質問して答えるだけではなく、ChatGPTを活用した様々なソリューションが既にどんどんつくられているし、これからもそれは続くだろう。そしてChatGPT自体も、恐ろしいスピードで進化しているようだし、この波を止めようとしても止められない。

 そして、やっぱりAIは人間ができないところをどんどん、できるようにしていく可能性に満ちている。リスクに目を向けるより、可能性に目を向けると、これはやばいことが色々起きそうな気がしている。想像力と学びの欠如により、現時点では「やばそう」くらいしかイメージできないが。

 だから、僕はまずはこれをどっぷりと受け入るべく、毎日、触っている。どんなジャンルのことをどんなプロンプト(コマンドプロンプト)で入れていくと、仕事に使えるのか、日々、探っている。幸い、僕の友人にはGeekがたくさんいるので、現時点でのユースケースや可能性については、知見が蓄積してきている。

 結果、おそらく仕事の効率はものすごく上がることだろう。PCで表計算ソフトを使用し始めた時に感じた衝撃。インターネットで海外のホームページにアクセスした時の衝撃。そしてスマホでインターネットを持ち出した時の衝撃。

 そのそれぞれで、僕自身は最先端ランナーではなかったけれど、だからそれらの衝撃をそのままビジネスにしたことはなかったけれど、ゆっくりと自分を順応させてきた。今回も、そのような形か、もう少し早めに対応できるかわからないが、まずは波に乗ろうと思う。

 そして自分の仕事にどう活用できるか、したいか、考え、実行していきたいと思う。まずは大学の学部の中でどう活用するか。
 確かに、レポートをChatGPTに適当に書かせるだけ、という利用になると、学生の思考力が減退するように思う。ただ、ChatGPTを活用し調査し、それが本当か見極め、自分の主張を述べていくなら、知識、調査の底上げになるから、どんどん使うべきだ。特性を見極め、より学びになる方法を考えていきたい。

 そのうえでどうするか。

 インターネットが出てきた時と同様、使える人と使えない人の様々な格差が広がっていくことは間違いない。今でも、検索エンジンを活用できるかできないかで知識レベルは簡単に差がつくと思うが、それがもう一歩先に進む。そう考えると、「正しいChatGPTの使い方」は広く浸透させたい。ChatGPTを皆の武器にできれば、こんなに強い味方はいない。その武器を、なるべく多くの人が享受できる世界をつくりたい。

 最後は、人間を人間たらしめることを改めて見つめ直し、そこを鍛え続けるサポートをすることになるだろう。知識レベルでAIに勝つことはもう、ない。だから早々にそこはあきらめ、そうじゃないところで人間としての価値を高めるためのサポートだ。

 それは、何か。私たちの行動。私たちの感覚。そして私たちの志。こうした「私自身」は、私たち自身にしかない、オンリーワンのものだ。それはAIに負けるとか負けないとかそういう話でもない。そんな話を先日、入学式でもした。

 つまりやっぱり、偏差値とか知識とか順位とかそういう世界から外れて、
 Lead the Self、自分自身をリードする
ことに尽きるなと。やっぱりそういうことなんだろうなと。

 そんなことを今、つらつらと考えている。

 

 

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