
二刀流人材を目指すために磨きたい翻訳力
本日は、これから求められるであろう翻訳力をテーマに書いていきます。
翻訳力といっても、語学の話ではなく「自分の専門知を翻訳する力」についてです。
以前にこんな記事を書きました。
自分は○○(職種や専門性)だから…と最初に出てくる人は生き残っていけない。
遠い領域にあるスキルを掛け合わせる、持ち合わせる人が2022年以降求められると考えています。
つまり、意図的に二刀流を目指すことが、自分独自のキャリアにつながる
今回は、この二刀流人材を目指すために必要な力について整理していきます。
専門知識は翻訳力があって発揮される
先日にこんなツイートをしました。
マーケティングの仕事をする人に求められる3つの翻訳力
— 黒澤 友貴/ブランディングテクノロジー (@KurosawaTomoki) February 23, 2022
1. 経営層が考えていることを現場に翻訳する
2. 自分の専門領域のことを、他職種の言葉に翻訳する
3. 社内の言葉を、社外(社会や市場に浸透する)言葉に翻訳する
自分の専門性を発揮したければ、3つの翻訳力を磨くことが大切という話です。
こちらは図解したもの。

専門性をビジネスで発揮するためには、この3つが大事だと考えています。
自分の周りで専門知識を活かして活躍している人は、みんなこの3つをやっている感覚があります。
1. 経営者や経営層に専門領域の価値を理解してもらう
2. 他職種に専門領域の価値や行動を理解してもらう
3. 市場・社会に専門性を通じて貢献する価値を高める
逆に言うと、専門領域のみでしか通じない言語しかもっておらず、特定コミュニティや組織内で閉じてしまっては、仕事は広がらない=評価されないということです。
最近は組織に多様性が求められていますが、個人としても「多様性に適応したり、多様性を生かす力」を鍛えないと、生き残っていけない時代だと思っています。
組織には、たくさんの多様性が求められていますね…
大切なのはビジョンを相手に合わせて翻訳すること
もう少し詳しく翻訳力について考えていきます。
翻訳力とは何かを考える上で、MITメディアラボの石井裕さんの言葉をいつも参考にしています。
石井裕:そもそも、自分自身に何らかのラベルを貼った段階で、自らを取り巻く世界は急速に狭まってしまいます。私たちがMITメディアラボで行っているのは、深いアイデアやビジョンを作り出すこと。そのビジョンは、アート、デザイン、サイエンス、テクノロジー、あらゆる分野の言語に翻訳できなければならないのです。そして、すべての分野に貢献しなければいけない。どの分野でも十二分に戦うことができる深いアイデアだけを、研究の対象としています。 すべての分野で高く評価されることは至難の業です。そのためにも、多くの異なる分野の価値観を深く学び理解したうえで、ビジョンをそれぞれの分野の言語にリアルタイム翻訳し、論理的に語る能力が必要です。これらの能力を鍛える場となるのが、他流試合と異種格闘技です。
MIT Media Lab CREATIVE TALKより
時代を超えるビジョンが、独創未来を創る
「自分が専門領域で目指していること(ビジョン・ゴール)は、あなたが目指していること(ビジョン・ゴール)と同じ」と示すこと。
これが求められる翻訳力だと考えています。
ポイントは、自分の専門領域でやっていることをわかりやすく解説して理解してもらうことではなく(それも大切だと思いますが)、共通目的や目標=ビジョンを描くこと。
この翻訳力を鍛えるために有効なのが、立場が違う人や他職種と協業すること。これを石井裕さんは「他流試合・異種格闘技」と表現されています。
翻訳力を磨くためにできること
シンプルに今できることから始めると良いと考えています。
①自分のビジョンやゴールを言葉にして、立場や専門領域外の人に伝える
②自分の専門領域とは異なるコミュニティに所属したり、他職種と仕事でコラボする機会を意図的に増やす ①の機会を増やす
③自分の専門領域の人とは違う人と協業して新しい事業を創る
翻訳力を磨き、異業種や立場が異なる人とのコラボレーションを繰り返す
↓
今まで自分が身につけてきた仕事の型を問い直し、あえて捨てる
↓
進化させる
=アンラーニングと呼ばれるものにつながるはずです。
こちらの本が面白かったです。
二刀流人材は環境の変化が激しくなると、ますます求められてくると思っています。ぜひご自身のキャリアを考える上での参考にして頂けたら嬉しいです!

最後まで読んでくださりありがとうございました!