不動産会社がコミュニティーまで創る時代に
都内のマンション購入者の多様性
さて、大都会のマンションといえば、どんな印象をお持ちだろうか。タワーマンションに、洗練された家具、そしてほとんど会うことがない住人。そんな印象かもしれない。しかし、実際はどうだろうか。
私自身もマンションに住んでいるが、実にさまざまな方が住んでいらっしゃる。「挨拶も交わさない人」「挨拶を交わす人」「会話をする人」など実にさまざまである。都会のマンションだから、ドライな関係かといえば、そんなことだけでもない。やはり、「人」は「人」であり、「人との関係」は重要である。関係性には差があるものの。
不動産会社が街づくりまで行う時代
「東急不、豊洲の街づくりハード・ソフト両面で」という記事は、その住人の関係性までを、不動産会社が取り組むことについて書かれています。このような取り組みは、他の不動産会社でも行われているとの指摘もあります。
全ての住人が、居住者同志の交流を望んでいるわけではないのでしょう。しかし、居住者の交流を望んでいる住人もいるのです。そして、その居住者同志の交流から、その居住区のカルチャーが生まれれば、その地域の新しいブランドになるのです。そのブランドは街のブランドでもあり、そのエリアにある不動産のブランドにもなるのです。
例えば、パリのモンマルト地区は、芸術家が多く住むことで有名になり、今もそのブランドは息づいています。このようなことは、大変時間がかかるブランド作りですが、一度作られたブランドによる価値は、その街にとっては大変な財産になります。
このような居住者同志の交流が求められている背景は他にもあります。それは、シニアの方の、マンションの入居者の増加です。今までは少し離れた郊外の一軒家だったかが、管理が大変なので、都会のマンションへ。夫婦で一緒住んでいたが、一人になったので、管理人のいるマンションへ。このような理由で、シニアの方のマンションの居住は増えるでしょう。
シニアの方は、贅沢な「人と繋がる時間」を持て、過去ビジネスで活用できていた「高い能力」を持っている方たちです。この「時間」と「能力」を、不動産会社が引き出し、借りることができれば、それこそ特徴のあるコミュニティーと街づくりができるかもしれません。不動産会社としては、実に面白い事業になり、今までの不動産業と異なる事業になるのではないでしょうか。
このように考えると、不動産会社は、コミュニティー・デベロッパーとしての役割が増えていくのでしょう。日本にもモンマルトのような特徴のある街を創れれば、楽しいのではないでしょうか。
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