見出し画像

AIが生む仕事と奪う仕事

AIが新たに必要とする人は、どんなものだろうか。下記の記事には2種類あるという。私は、2種類どころではなく、多様な仕事が生まれると思う。いや、既に生まれつつある。

https://forbesjapan.com/articles/detail/25228/1/1/1?s=ns
 あらゆる職業がAIと掛け合わさるからである。そして、既存の役割とAIが掛け合わさり、あらゆる業界に新たな仕事が生まれる。この新しい時代に仕事を見直す必要があるからである。
 例えばAIを活用するときに、法律家が必要になる。AIは、既存のルールを不要とし、新たなルールを必要とする。これを既存の法規や統治の仕組みとの整合性を取りつつ行うには、法律の専門家が必要になる。ただし、従来の法務の領域に留まり続ける人には、この仕事はできない。AIという新たな可能性の意味や役割をしっかり理解しつつ、ルールの世界をアップデートする必要がある。これは、既存のあらゆるルールに及ぶため、膨大な仕事を生み出す。
 私は大企業の研究所に勤めているが、この研究職の中でも同じ事が起きている。日立には、鉄道や建設機械やプラントから金融、公共システムまでの幅広い研究者2000人以上いる。このAIが注目されるようになってから、それぞれの「専門分野×AI」の研究者/専門家への需要が急増し、大量の仕事が生まれている。結果としてほぼ全研究者が、「既存の専門分野×AI」の研究者にアップデートされつつある。
 あらゆる分野で、このようなことが起きている。もちろん、この「既存×AI」という流れをいち早く掴める人と、「既存」の世界にできるだけ留まり続けようとする人はいる。ただし、前者を求める需要はどんどん増え続けるという経済原理によって、後者は自然に淘汰される運命である。

 『サピエンス全史』や『ホモ・デウス』のベストセラーで有名な、ユヴァル・ハラリ氏ですら、このAIという新たな潮流により、自分が大きく変わらざるを得なかったことをインタビューで答えている。歴史学者さえもが、この流れに逆らえなかったわけである。いやむしろハラリ教授は「歴史学×AI」という自己改革を最も早くうまくやった人ともいえる。

 AIは「既存×AI」という無限の仕事を生み出し、AIが奪うのは「既存」だけに留まる人の仕事である。
 だから、すべてのビジネスパーソンは、早く頭を切り替えて前者を目指す方がよいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?