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完璧さよりスピードを重視せよ

僕が会社員時代、何よりも大事にしていたことがある。それは「完璧さよりもスピードを重視する」ということだ。

この考え方は下記の日経の記事でも、「製造業によくある完璧主義ではなく、粗削りでも迅速に動くアジャイル(俊敏)な企業文化をつくりたい」と表現されている。

僕は25歳の時、所属していた経営企画室の本部長であるNさんにこの考え方を教えてもらった。少しNさんとの会話を回顧していこう。

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Nさん「寺澤くん、あの件どこまでできた?」

僕「まだ半分くらいですね。とりあえずフローの叩き台だけ出来ました」

Nさん「どれどれ、ちょっと見せて……ああ、ここはこうした方がいいね」

僕「なるほど!あー、この段階で言ってもらってよかった。このまま進んでたら手戻り発生してメンドクサイことになってました。」

Nさん「そうなんだよ。自分だけの視点で100%に近いものを作ってから上司に見せるんじゃなくて、50%くらいの段階で進めてる方向が間違ってないか確認するのって仕事を進めていく上ではものすごく効率的なんだよ。逆に完璧主義ですごく時間をかけて仕事をしたのにダメ出しされて苦労している人もいるよね。完璧主義よりも50%くらいで相手に渡す方がよっぽどいい。理由は3つあってね・・・

1)依頼主の意見を聞いて対応する時間ができる

Nさん「完璧さよりもスピードを重要した方が『依頼主の意見を聞いて対応する時間ができる』んだよ。ほとんどの仕事は誰かからの依頼に基づいて、誰かに渡さないといけないものでしょ?それなのに自分だけが完璧さを追求して完成させた資料だったとしても、相手がどう受け取るかなんて分からないじゃない。それよりも50%くらいの出来で一回相手に見てもらって大まかな方向性の確認をもらった方が後々の手直しが少なくなるというケースが多いんだよね」

僕「なるほどなるほど」

Nさん「逆に最悪のケースは、時間をかけて資料を作成して、〆切間際に大作を相手にドンッと送りつけ、終わったつもりでいたら大幅に修正が入って徹夜というパターン。こういう仕事の仕方をしないようにね。」

僕「それ怖すぎますね。。。気をつけます!」

2)完璧さを求めると時間がかかりすぎる

Nさん「あと、完璧を求めると時間がかかりすぎるということだね。たとえば50%の完成度で資料を提出して、その段階で方向性を確認出来たら、そこから90%の完成度にするのにはそんなに時間がかからないんだよ。だけどそこから95%、98%、99%・・・と完成度を上げていくためには、50%から90%に上げたのと同じかそれ以上の時間がかかるんだよね」

僕「ああ……分かります」

Nさん「特に完璧を求めるとよくないのがパワーポイント。内容だけじゃなくて文字の位置とか色、大きさまで完成度の対象になってしまうし、それには正解がないじゃない。そんなことに時間を使うくらいなら、ある程度自分がいい思う観点でパパッと作成をしておいて、最後は依頼者に微調整をしてもらうくらいの適当さがある方が仕事は進むんだよ」

僕「ううう、パワーポイントで内容はもう出来てるのに、文字調整でハマった経験があるのを思い出しました・・・」

3)仕事は自分の手元にない方が進む

Nさん「あと仕事って、火のついた爆弾みたいなもんなんだよ。その爆弾を受け取ったら、自分のやるべきことをサッとやって、次の人に回してあげないと、いつまでも自分がずっと抱えていると、いつかドッカーンと爆発しちゃうんだよ」

僕「そんなこと、あります?」

Nさん「爆発するまで抱えるなんてありえないって思うでしょ?でも結構みんな抱え込んじゃうんだよね。自分が火のついた爆弾を抱えている時に、さらにあと2、3個ほど同じように火のついた爆弾が手元に転がってきて、どの仕事にも完璧さを求めてしまうと、時間切れで大爆発だよ。そうなっちゃうとその仕事を依頼した周りにも被害を及ぼすことになっちゃうよね」

僕「それはヤバそうですね……」

Nさん「だからさ、完璧さを求めるあまりに大爆発を起こすくらいなら、適当なところで爆弾を手放して次の人にバトンタッチした方が、自分にも周りにもハッピーなんだよ。要は仕事って、自分の手元にない方が進んでいくっていうことだね」

僕「なるほど!よく大量の仕事を任されているはずなのに、涼しい顔して乗りこなしている人がいますけど、それは手を抜いているんじゃなくて、次の人にバトンタッチするスピードが早いってわけですね!」

まとめ

Nさんとのこうしたやり取りがあってから、僕は20年以上『仕事は完璧さよりもスピード重視だ』ということを意識していて、このおかげで僕は今まで仕事で大きなトラブルもなく過ごせてきたのだろうと思います。めちゃくちゃ仕事の効率上がるから、ぜひやってみてください!

参考

以下の書籍には、この他にもNさんからの教えがたくさん詰まっています。ぜひ続きを読んでみてください。

書籍版

電子版

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寺澤伸洋@FIREしたビジネス書作家
最後まで読んでくださって、ありがとうございました! これからも楽しみながら書き続けていきます!