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2020年生涯未婚率は男25.7%、女16.4%。その計算方法解説

2020年の国勢調査確定報が11/30に公開されました。独身研究家としては待ちに待った「配偶関係別人口」が発表されました。これで、2020年最新の生涯未婚率が計算できるからです。

さっそく計算したところ、外国籍者を含む総数による2020年の生涯未婚率は、男25.7%、女16.4%となりました。これは、大正時代からの国勢調査が始まって以来の過去最高記録である。ちなみに、5年前の2015年は、男23.4%、女14.1%であることは広く知られている。

グラフにするとより一層1990年以降の上昇気流のすさまじさが際立ちます。グラフについてはこちらのヤフー記事で公開しています。未婚率の数字だけではなく読み物としても楽しめると思うのでぜひご一読ください。

ところで、そのニュースは自身のツイッターでも公開し、多くの方の反響をいただきました。

あわせて、テレビ朝日の「グッドモーニングからのご連絡いただき、急遽本日12/1の朝6時半の番組にリモート出演することになりました。インタビュー部分はカットされていますが、その部分のニュース記事はこちらです。

さて、ヤフー記事にも書いた通りなんですが、生涯未婚率の計算式にはルールがあります。

生涯未婚率とは、45-49歳の未婚率と50-54歳の未婚率とを平均したものである。50歳の未婚率ではなく、いわばアラフィフの未婚率である。また、この計算においては、歴史的に「配偶関係不詳」及び「年齢不詳」については総数から除いたものを使用することになっている。2015年の男23.4%もその計算式に基づいている。よって今回もそれら不詳を除いたもので計算しなければ、推移の比較などはできないことになる。

しかし、今回、総務省統計局が発表している「結果の概要」PDFには、注釈にある通り、「不詳補完値」が使用されている。つまり、配偶関係や年齢不詳の人を他の構成比などに照らして按分合算したものである。

以下はその該当部分P30の一部をキャプチャしたものである。一番下に「不詳補完値による」と明記してある。

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よって、このデータをそのまま使って生涯未婚率を計算しては今までのデータとの整合性がとれないことになる。要するに、間違いである。だから、統計局の報告書においては生涯未婚率は書いていない。

2020年に不詳補完値を使用するのであれば、2015年以前の過去のデータもそれぞれ不詳補完値による遡及集計しなければならないはず。すると、今までなじみのあった2015年男23.4%も変更になる。それ、あまり意味はない。今まで何十年もやってきたやり方を変える意味はない。

総務省統計局もあくまで「参考表」として出している。よって生涯未婚率算定にあたっては「不詳補完値」で計算してはいけないのである。

にも関わらず、日経さん。やってしまいましたね。

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ここで出している男28.3%、女17.9%というのは、この不詳補完値をそのまま使ったがための値です。2020年の数値として「不詳補完値による参考値」として出すだけならまだしも、過去のデータとあわせて一枚のグラフに収めてしまうのはあまりにお粗末だと思います。

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百歩譲って2020年だけ不詳補完値を使ったのなら、それを明記すべきでした。それでも推移表にするのは感心しないが。

至急、訂正修正された方がよろしいかと。

本当の数字が男25.6%なのに、28.3%とか言われるといらぬ混乱を招く。28.3%は社人研推計の2035年の数字に匹敵するものだからだ。

ちなみに、正しい原数値は国勢調査e-statsからエクセルダウンロードが可能です。それに基づく正しい生涯未婚率の計算の仕方を書いておいたので参考にしていただきたい。

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最後に再度念押ししますが、2020年生涯未婚率は男25.7%、女16.4%です。今後統計局からの追加修正などがない限り。

そもそも日経さんも、一言僕に声かけてくれればいいのに、と思います。


追記 2021/12/4

頑なに日経さん訂正しないね。総務省統計局とお話しましたが、統計局の見解でも日経の推移グラフは明らかに間違いであると明言してましたよ。


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荒川和久/「結婚滅亡」著者

長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。