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生成AIがブランド体験に与える影響の考え方について

生成AIがビジネスにどのような影響を与えるかを考える上で重要な記事が日経新聞に出ていました。

FTは関係者の話として、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が元アップルのジョニー・アイブ氏が設立したデザイン会社を通じ、消費者向けの機器を開発する議論を始めたと報じた。SBGの孫氏も協議の一部に参加し、10億ドル(約1500億円)以上を投資する方針という。

日経新聞の記事より引用

まだ正式に会社立ち上げが決まっているわけではないようですが、
AIとの対話で「より自然で直感的なユーザー体験」を提供する機器の開発
を目指した動きが出ているとのこと。

今回のOpen AIとジョニー・アイブ氏の連携が進み、ChatGPTにAppleのiPhoneのようなハード、iOSのようなソフトがセットになったら…
Appleが起こしてきた変化と同レベル・もしくはそれを超えるような変化が生まれる可能性もあると感じています。

そして、この視点は生成AIがブランド体験をどのように変えるのか?を考えるヒントにもなると思っています。

アイブ氏のAppleでの仕事に、今後の生成AIを考えるヒントがあるのでは?

記事に書かれているジョニー・アイブ氏はAppleのデザインを担ってきた人物です。

この10年超でAppleは一気に生活インフラレベルに浸透をしましたが、その立役者がジョニー・アイブ氏であったと自分は捉えています。

そして、アイブ氏がAppleでデザインをしてきたことは、生成AIにおけるビジネスの未来を考えるヒントがあると考えています。

ハードウェア・ソフトウェア・サービスの連携を推進

2012年のAppleによるプレスリリースに、アイブ氏がAppleのハードウェア、ソフトウェア、サービス間の協力を推進強化についての方針が出されていました。

この組織変更から10年ほどで、Appleは3つの視点を設計・連携させることで優位性を構築しました。

1. ハードウェア:iPhone,ipad,Mac
2. ソフトウェア:iOS、macOS、watchOS
3. サービス:Apple Store,iTunes,Apple TV etc
この3つが連動してユーザー体験の設計ができていることが、Appleの強みだとCEOのティム・クック氏も発表しています。

この10年、自分が日々接するブランド体験がどのように変わったかを振り返ると、
1. iphoneやApple Watch(ハード)
2. iOSやwatchOS(ソフト)
3. サービス(Apple Storeで提供されるiOSアプリ)
によって大きく変わってきました。

Apple・アイブ氏が担ってきた役割を分析する中で、
生成AIの変化も、ハード、ソフト、サービスの3つの観点で捉え直し、ブランド体験の設計に活かしていくと良いのでは?と考えるようになりました。

生成AIを3つの視点で捉え直す

生成AIの活用に関しては、どんなプロンプトを使うか?
が注目されますが、
それだけではサービスレイヤーの話しかしていません。

ハードウェア、ソフトウェア、サービスの3つのレイヤーを統合して、
・どのようにビジネスモデルを変えるか?
・どのように体験を設計するか?
を考える視点が重要だと考えています。

ハード、ソフト、サービスの3つの視点を統合して変化を捉える

融けるデザインの視点が参考になる

上記の視点を考える上で、「融けるデザイン」という本を読み直しています。

AIが盛り上がる前の本ですが、インターネットをAIに置き換えて読むと、今の時代に必要とされる体験設計を考えるヒントがもらえます。

ハードウェア、ソフトウェア、インターネットが融け合う、身体的で体験的なものづくりの時代には、新しい設計方法論が求められる。

融けるデザインの冒頭より引用

こちらは、融けるデザインを参考にしながら、自分たちは生成AIとどのように向き合うと良いのかを考えた図です。

生成AIがブランド体験にどのように影響を与えるかの図解

ブランドの体験は、
・ハードウェア、ソフトウェア、サービスが融けあって生み出されることを理解する
・生成AIが各要素にどのような影響を与えられるかを考える
ができると良いと捉えています。

生成AI活用=プロンプトやプラグインといった発想の先へ

プロンプトやプラグインこんなの便利だよ!こんなツールが出てきたよ!という話は終わりにして、ビジネスモデルやブランド体験の変化を捉えて、良い設計をしていくフェーズに入っていきたいと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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