子育て世代を襲う女性の「時間貧困」 働き方改革と共に多様な家事のあり方を
こんにちは、電脳コラムニストの村上です。
経済成長が止まりつつある日本において、企業の内部留保は積み上がるものの賃金上昇にはつながっていません。残業規制や有給休暇の取得義務などの推進により労働時間は短縮されつつあるものの、可処分時間から労働・通勤時間を差し引いた時間はG7の中で最も少ないことが調査で明らかになりました。
日本では特に女性に家事育児の負担が集中していることが度々指摘されています。また、家事の外注やお惣菜を買うことに対しても「楽をするのは悪い」という社会通念が根強くあり、罪悪感を覚える方も少なくないでしょう。コロナ禍ではいわゆる「ポテサラ騒動」という出来事がネットで話題になりました。
世代や生活環境により価値観が多様化している現代において、高度経済成長期のような「大黒柱が一家を収入面で支え、残る家族が生活面でそれを支える」と言ったような画一的なロールモデルはもはやありません。家事に関しても男女ともに結婚前は同じ時間を費やしていたものの、結婚すると女性が男性の2.6倍になり、子どもが生まれるとさらに2.8倍〜3.6倍にまで差が広がるそうです。この中に含まれない「献立を考える」ような思考に関わる時間も、「妻」「どちらかというと妻」と回答した世帯が約8割とのことです。
コロナ禍における働き方改革の進捗により、リモートワークなどの柔軟な働き方が過去例を見ないほど導入が進みました。では、家事分担についてはどうでしょうか。
なにより「積極的に楽をする」ないしはメリハリをつけるということが、もっと推奨されるべきだと考えています。1950年代後半の好景気の頃、豊かさやあこがれの象徴として「白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫」が「三種の神器」としてもてはやされました。今で言えば、自動掃除機・食器洗い機・乾燥洗濯機でしょうか。時間のかかる家事を自動化してくれる家電類はもっと推奨されるべきでしょうし、それこそエコポイントのような制度により普及を促してもいいでしょう。シンガポールの建国の父であるリー・クアン・ユー氏は「エアコンなくしてシンガポールの発展はなかった」と述べていました。日中、生産性高く働くためにはエアコンが必須だったということですね。
会社における生産性の向上も大事ですが、家庭におけるそれもまた大切なことだと思います。
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タイトル画像提供:nonpii / PIXTA(ピクスタ)