人間ドックを受けた24歳の人生が変わった話
健康診断、最後に受けたのはいつですか?会社にお勤めの方なら年1回は必ず受診することになっていますね。フリーランスや自営業、一部の専業主婦の方は、お住まいの自治体で受けられます。
後者、企業にお勤めでない方の受診は任意です。「早く受けてね」と急かしてくれる人がいません。でも最近は病気を未然に防ぐ「予防医療」の関心が高まっていることもあって、住民に健康診断を受けるよう促す自治体が増えています。
健診は何のために受けるんだっけ?
自治体がおせっかいを焼くようになったのには、もう一つ理由が。住民の受診率に応じて、都道府県に交付金を配る制度が2018年度から本格的に始まったのです。実はこの制度、早くも見直しが始まっています。どんな方向に変わっていくのか、ヒントが分かる記事をご紹介します。
簡単に説明すると、今まで都道府県は受診率を上げた分だけ交付金をもらえました。国は予算削減のためマイナス評価を導入しようとしていて、都道府県は交付金を減らされるかもしれないと反発しています。
重症化する前に病気を見つける。それが健診の一番の目的のはず。予防医療が進めば長い目で見て医療費が減るかもしれませんが、お金のメリットはあくまで副産物。私たちの健康に代えられるものではないと思います。
健診だけでは分からないこともある
日経電子版のコラムを紹介するnoteですが、少し自分の話をさせていただきます。
私(渡部)はちょうど3年前、24歳の時に人間ドックを受けました。大きな病気をしたことはなく、両親・祖父母とも健在です。何一つ健康面で心配はなかった自分が人間ドックを受けようと思ったのは、当時乳がんで闘病していたフリーアナウンサー、小林麻央さんのブログを読んだのがきっかけでした。
安心がお金で手に入るなら……私はその程度の動機だったので、結果を見て呆然。超音波検査で膵臓に腫瘍があることが判明しました。精密検査、検査入院、あれよあれよという間に進み、人間ドックから半年で開腹手術をすることに。
今はたまに通院する程度で、仕事や取材に支障はありません。あのとき見つかっていなかったら……。契機があったのは本当に幸運なことだったと思います。
思い立ったが吉日
日経に伝わる金言「原稿より健康」は本当だし、「思い立ったが吉日」に救われるとは。一連の経験で人生の考え方が少し変わった話でした。人間ドックを受ける人が少しでも増えれば幸いです。
思い立ったが吉日――経済・金融ニュースの背景が分かる、日経電子版のコラム「底流」も読んでみてくださいね。
※紹介した制度「保険者努力支援制度」の詳しい説明はこちら
(厚生労働省の資料に飛びます)
(日本経済新聞社デジタル編成ユニット 渡部加奈子)