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カロリーメイトから考える「隠れたニーズ」を突き止めることの重要性

今日はカロリーメイトから「隠れたニーズを理解する」ことの重要性を考えていきいます。

カロリーメイトはマーケティングを学ぶ上での素晴らしい教材だなと、朝の通勤時にこの記事を読んでいて感じました。

この記事を見て、カロリーメイトの簡易マーケティングトレースを行ったのがこちら。

カロリーメイトのマーケティングトレース
▼ポイント
栄養は必要だけど、バランスよくとることが難しいというシーン
=顧客ニーズに着目

▼顧客の消費シーンに着目
シーン別に商品開発
・スポーツ
・受験
・アウトドア
・朝食
・非常食

▼STPで考えると
Sセグメンテーション
行動特性に注目

Tターゲティング
行動特性別に顧客ニーズを特定

Pポジショニング
素早く、確かな栄養をとれる

▼4Pで考えると
商品:バランス栄養食

価格:1箱200円→わかりやすい

流通:コンビニ、薬局、スーパーなどどこでも手に入る

広告:顧客の行動特性=シーン別にコミュニケーション戦略を構築

朝に簡単にまとめてみた分析を見返していて、ふと思いました。

カロリーメイトは行動シーン別に商品を開発し、コミュニケーション戦略をとったから成功したのでしょうか?

もしそうなのであれば、どのブランドも行動シーン別に商品とコミュニケーション戦略をセットで行えば成功するはずです。

そんな単純なものではないですよね。

消費者の隠れたニーズがあり、そのニーズに応えているから売れているのだと思うのです。

ということで、もう少し消費者視点で掘り下げてみたいと思います。

なぜ人はカロリーメイトを買うのか?

自分はカロリーメイトを週に3箱くらい食べます。

なぜ自分はカロリーメイトをこんなに愛用しているのかを改めて考えてみました。(n=1は自分から)

考えてみての結論
他者からストイックな人だと思われたい、忙しい人だと思われたい=見栄を意識しているから

ジョブ理論で考えてみる

ジョブ理論という本の中で、人が商品やサービスを利用するために、3つのジョブ(機能的なジョブ、感情的なジョブ、社会的なジョブ)に分類することが推奨されています。

カロリーメイトの場合で3つのジョブを考えてみます。

①機能的なジョブ(人の要求を満たす実用的なタスク)
・栄養素を手軽に取りたい

②感情的なジョブ(顧客が達成時に期待する感情)

・体調がよくなる
・頑張れる気持ちになる

③社会的なジョブ(顧客が社会的にどう捉えられたいか)
★ストイックな人だと思われたい
★一緒に働いている人から頑張っていると思われたい

カロリーメイトを買う理由が見えてきた気がします。

なぜカロリーメイトを買うのか?
私は受験を頑張っている、スポーツを頑張っている、仕事を頑張っている・・など、カロリーメイトを食べることは、ストイックに頑張る姿勢を周囲に示したいから

(つまり社会的ジョブを片付けている)

この社会的なジョブを片付けていることに、カロリーメイトが売れ続けている理由があるのではないかと考えています。

さらにデザイン視点で掘り下げてみましょう。

周囲に頑張っていることをアピールしやすいデザイン

カロリーメイトは、この黄色のパッケージが特徴的です。

この黄色のパッケージを机に広げて食べていれば、周囲の人へのアピールもしやすいです。

シンプルな四角い黄色パッケージを所有しているだけで、自分が頑張っているんだよ・・ということを他者にアピールすることができる。
なんて素晴らしいデザイン!!

ユーザーの「隠れたニーズ」を探ろう

カロリーメイトを自分が買う理由(裏側にあるたくさんの人に愛用されている理由)を考えてきました。

ここでお伝えしたかったのは、顧客の隠れたニーズを特定することがマーケターの役割だということです。

マーケティングの大家コトラーも、ニーズを5階層に分けて、隠れたニーズという存在を提示しています。

ニーズの5階層(カロリーメイトを例に)
1明言されているニーズ
ex栄養をちゃんと取りたい

2真のニーズ
ex時間を効率的に使いたい

3明言されないニーズ
ex味が複数選べて嬉しい

4喜びのニーズ
exキャンペーンに参加できて嬉しい

5隠れたニーズ
ex頑張っていることを褒めてもらいたい

機能的なニーズは突き止めやすいのですが、隠れたニーズ、ジョブ理論でいう感情的ジョブ、社会的ジョブは、言葉で出てこないのでマーケターの腕が試されます。

隠れたニーズを突き止めて、そのニーズを顕在化させるための商品開発、コミュニケーション戦略を組み立てることができれば、商品は売れます。

マーケターはもっと、顧客の隠れたニーズを理解することに時間を使うべきだし、理解するためのスキルを磨くべきだなと考えています。

隠れたニーズを理解するための3つの問い

ぜひ、この問いを持ちながら、マーケティングと向き合っていきたいところです。

いつも自分に問いかけたい3つの問い
✔︎顧客の隠れたニーズは何か?
✔︎顧客の機能的ジョブだけではなく、感情・社会的なジョブは何か?
✔︎隠れたニーズや社会的ジョブをコミュニケーション(デザイン)に落とせているか?

本日の日報は以上です。