基軸通貨 vs. 衛星通貨
日銀に限らず、変動為替相場制の世界において米国要因(意図的なものも含め)で明確な流れが生じている時は、その他中銀が何をやっても流れは変わらないというのが歴史の教訓です。酷評されがちな白川体制もその実、金融危機後、米国が明確な意思を持ってドル安誘導していたという不運が重なりました(その上で欧州債務危機という国際金融市場を揺るがす事件もありました)。
ここ2,3日で突然、「悪い金利上昇」、「双子の赤字」果ては「スタグフレーション」といったフレーズが使われるようになっており、ドル安それ自身は(米国が意図しているのかしていないのかは分かりませんが)完全に米国に起因するものです。※なお、私はその問題意識にあまり賛同できず、むしろ米実体経済の減速に伴い米金利が低下、その結果としてドル安が進んでくることを懸念する者です。いずれにせよ円高ではありますが。
基軸通貨の都合で為替が動いている時は衛星通貨の力ではどうしようもないという基本認識は予想や期待というよりも変動為替相場の世界では「摂理」に近いものと私は感じています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27041940W8A210C1EA4000/
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