カットアップによる発想トレーニング
かつて文章を書いていた頃に、カットアップの手法を使って遊んでいました。
カットアップは、(紙に印刷された)完成された完全な直線的テキストを使って、それを少数あるいは単一の語にバラバラにすることで実行される。それからバラバラにされた断片は新しいテキストに組み直される。この再編はしばしば驚くような新しいフレーズになることがある。一般的なやり方はテキストが印刷された紙を4つに(長方形に)裁断し、それらを並べ替え、でたらめな言葉は即興的かつ斬新な創意によって変えつつ、混ざりあった散文をタイプライターで書き起こすことである。(Wikipediaより)
これを、コンピュータ上(MacのHyperCard)で再現されたドクターバロウズというプログラムがありました。現在、早稲田大学文学学術院教授の細馬宏通さんが作成され、ネットワークを通じて配布されていて、ユーザー同士で出来上がったテキストを見せ合うコミュニティがあり、そこに参加していました。(『裸のランチ』などで有名なウィリアム・S・バロウズが、この手法を用いていたことから命名されたそうです。
歌の歌詞と薬の能書きを入力してカットアップ、とんでもないフレーズが出来上がる。自動的に生成されたテキストから、ピンとくるものを選出するところに自分の趣味やセンスが反映される。まさに、遊びと学びが一体となった、とても面白い活動でした。
僕は、これがとても楽しくて、自分の本棚に並んでいる書籍タイトルをカットアップし、架空の書籍名を作り出し、その架空の書物のあらすじや書評を書くという遊びもしていました。
元ネタは、下記の本です。
この本は、架空の書籍の書評集です。
カットアップは、考えてみれば、昨今話題のAIによるジェネレーティブデザインにも通ずる創作方法だったように思えます。
ツールによる自動生成を活用する創作において、自分の存在意義のようなものを手応えとして感じられる面白い遊びとして、カットアップによる架空書籍の創作を久々にやってみようかと思っています。