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管理職の役割を分割して再設計しよう。

こんにちは。リデザインワークの林です。

年々、管理職が担う業務の負担が高まっています
従来の業務に加え、コンプライアンスの強化、人材育成への期待の増大、メンバーのキャリアパスの設計、ダイバーシティの推進、ハラスメント対策、労務管理の強化・・・などなど、限界を迎えているのではないかと思います。

リクルートマネジメントソリューションズの2023年6月の調査では、「負担が過重」と感じる管理職は64%と高く、人事担当者・管理職層が思う企業組織課題は「ミドルマネジメント層の過重負担」が最多となっています。

企業の根幹を支えるマネジメントのなり手が少なく、担ったとしても、やることが多すぎて、どれも中途半端になってしまう状況が拡大していると思います。

そんな中、部長職が担う役割を3人で分ける事例が記事になり、とても良い事例だと感じています。

部長の役割は、「部の将来像を描き、達成への道筋を示すのが自分の役割。組織を統括する部長級の管理職はあと2人いる。
1人は世界で遂行中のプロジェクトへのエンジニア配置などを差配し、日々の業務を管理し、収益を高める人繰りを担う「PCM」と呼ぶポスト。
もう1人は人材育成を主導。約90人の非管理職の部員のキャリア開発を支援し、成長につながる人事異動の計画もつくる「CDM」という役職。

そもそも、管理職が担う役割は、以下の4つにまとめられます。

1.コト×短期=業務管理
 チームの目標を決め、進捗を確認しながら、目指した成果が出るように 
 業務のアドバイスやサポートを実施していく役割

2.コト×長期=業務改革
 抜本的な業務改革・戦略設計を行い、短期施策の積み上げではなく、長 
 期的に価値を高め続けるための施策を設計・実施していく役割

3.ヒト×短期=関係構築
 メンバーの人となりを知り、声をかけ、動機付けを行い、チームの良い関
 係を構築し、心理的安全性の高いチームを作る役割

4.ヒト×長期=人材育成
 強みや弱みを踏まえ、次の成長テーマを設定し、成長を実現する挑戦的 
 なミッションを設定し、足りない部分を日々フィードバックする役割

日揮の例では、それを3つの役割に分けて、担う取組です。
・中長期の未来像を描き、変革を主導する役割(コト×長期)
・部内のプロジェクトマネジメントを担う役割(コト×短期)
・人材育成を担う役割(ヒト×短期・長期)

とても良いと思います。比較的新しい職種であるエンジニアでも、CTOにすべてを担わせるのではなく、技術を推進するテックリードや、ピープルマネジメントはVPoEなどの役割で分担しています。
ビジネスサイドの管理職も、何を担うのかを明確にしたうえで、その技術を磨いていく必要があると思います。

自社の部長にもっと中長期戦略を担ってほしいと考えたり、もっと人材育成に取組んでほしいと思うなら、その役割を分割して、推進する方法が今求められている打ち手なのではないでしょうか。

また、日本の管理職は部下のフォローやトラブル対応が仕事の中心になりがちな現状もあります。PCが壊れたという申請や、部下が研修をすべて受けているのかのチェックなどなどを担っている管理職もいます。

このような業務は、横断人事や総務が担い、管理職からいかに雑用業務を無くすのかも重要なテーマだと思います。

管理職の増大した業務を見直し、何を担ってもらいたいのかをフォーカスするために、役割を分割して再設計するタイミングではないでしょうか?実際、リデザインワーク社でも現在複数社で、マネジメントの役割議論を行っており、分割議論をしている会社もあります。

マネジメントを担いたいという人が増え、力を発揮してくれることで事業と会社の成長を拡大していけますように!

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林 宏昌(リデザインワーク・スキルキャンバス代表)
経営戦略、人事戦略、働き方について、自身の経験を通じて得た気づきや学びを書いていきます。フォローしてもらえると喜びます! リクルートにて営業→経営企画室長→広報ブランド推進室長→働き方変革推進室長→リデザインワークを創業+ベーシック取締役COO+情報イノベーション大学客員教授