シェアードワールドという考え方

シェアードワールドとオープンイノベーション

シェアードワールドという創作スタイルをご存知でしょうか? 僕は、コミュニティからプロジェクトを生み出す上で、とても相性がよい創作スタイルだと考えています。

シェアードワールドとは、基本設定にもとづき、複数の作家が、多くの作品を生み出し、大きなムーブメントを作っていく、というものです。マニアックなところではクトゥルフ神話大系、古くは福音書など。シェアードワールドコミュニティ、シェアードストーリーてリング、コクリエイョン、マスコラボレーションなどのように、多くの人が共通の世界観を共有し、それに基づいて創造・創作を展開している事例がいくつもあります。

このシェアードワールドというスタイルとオープンイノベーション・ハッカソン・アイディソンの組み合わせは、志を同じくする人々(世界観を共有する人々)が集い、共に未来を考えることができれば、素晴らしい機会となります。

SXSW

少し前になりますが、SXSW(業界プロフェッショナルとクリエイターのための見本市及びカンファレンス)2012にて発表されたスライドがあります。Shared World Communityを作り、展開していくために必要な要素について述べられたものです。

Shared Story World を作るために必要な 3 つの要素。(Creative、Operational、Legal)があります。

Creative

Creative(創造性)には、次の3つが含まれます。

Storytelling(物語性)として、中心となる物語は何か? どんな人物が登場するのか? 従うべき設定は決められているのか? スピンオフのような物語の派生はすでに存在しているのか? 公式と非公式などの関係性はどのようなものか? などが考えられます。

Worldbuilding(世界観構築)として、世界観の設定はどのようなものか? 参加者が貢献するときのハードルはどのようなものか? 構築されている世界観はどれくらい参加者に依存しているか? 参加者が貢献するために用意されているプラットフォームは複数あるか? どのようなメディアが参加者間で使われているか? などが考えられます。

Inviting(招待)として、参加者はどれくらいの範囲で関わることができるか? 参加者はどのような媒体を使うことができるか? エントリーポイントはどのようになっているか? などが考えられます。

Operational

Operational(運営)には、次の3つが含まれます。

投稿のための技術・資源として、必要な機材や知識、出演者や音声などのリソースが考えられます。

システム(投稿のプロセス)として、投稿そのものの方法のほか、審査などについても考えられます。

マーケティング(投稿されたものの展開)として、投稿されたもの展開方法やチャネル、有料無料など展開時のビジネスデザインも考えられます。

Legal

Legal(法律などの事項)には、次の2つが含まれます。

知的財産や商標や付与的ライセンスとして、誰が権利を保持するのか? 相互の作品の利用をどのように認め、コラボレーションを推奨していくか? 商標の制限はどのように設定するのか? などが考えられます。

商用展開の場合の報酬システムとして、報酬体系や、支払いのシステムなども考えられます。

これらは、オープンイノベーションコミュニティにとって示唆的事例として、とても興味深いと思います。

The Rise of Co-created Shared World Communities

http://www.slideshare.net/scott_walker/sxsw-2012-panel-rise-of-cocreated-shared-world-communities


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