女性管理職比率があがると日本の未来はこうなる?
地方で人口減少が加速する中、女性を管理職に積極登用することで経済や社会を活性化させる取り組みが中国・四国や九州などで進んでいる。トップを走る徳島県は人材育成を強化し全国で初めて女性の管理職比率が2割を超えた。
というニュース。正直、トップの徳島をはじめ上位は意外なところで、こちらでは日本地図でも確認すると、なんとなく東北と中国四国九州の西日本に集中している印象があります。
こちらが2015年時点でのランキングだそうです。
これって単純に人口流出地域が上位にきているだけじゃないのかな?と思い、総務省統計局局の人口移動報告から、2011-2015年の累計人口転入超過数の2015年時点との県別人口比との相関をみてみました。
相関係数▲0.0147…。全くの無相関ですね。人口の移動とはまったく関係ないようです。
では、県別の女性の生涯未婚率との相関を見てみましょう。
こちらは、相関係数0.59054で強い正の相関があります。つまり、女性の生涯未婚率が高ければ高いエリアほど、女性の管理職割合が高いということです。もちろん、管理職になった女性が全員未婚者だということを言うつもりはありませんが、この相関の高さから見れば、女性の管理職割合があがるということは、すなわち女性の未婚化が進むという見方もできるわけです。
もちろん、そこに因果があるとは言えません。結婚したらキャリアをあきらめざるを得ない現状の日本の姿が問題なのであると言いたい人もいるでしょう。しかし、その理屈も何の因果も相関もない思い込みかもしれない。あきらめたくないのにあきらめさせられた人もいるかもしれませんが、そもそも最初からキャリアなんて狙っていない人だって存在します。どっちがいいとか悪いとかの話ではない。
こういうと必ず「私は結婚も子育てもして、管理職にもなった」という声をあげる女性もいるのですが、あなたはそうだったというだけで、あなたの人生を他人に強要すべきものではない。あなたみたいに全員がスーパーウーマンでもない。
日本では、男女の賃金格差が大きいとよく言われます。それは全体を一括で見てしまえば確かにそうかもしれないが、こと未婚の正社員だけで男女を比較すると以下のグラフの通り全く男女格差はなくほぼ平等です。
男女の賃金格差を生んでいるのは既婚男女の違い、もっと有り体に行ってしまえば、子育て期間中休業や退職して専業主婦になる女性や40代以上で家計の足しのためにパートをする主婦の数の多さによって格差があるように見えるだけです。
結婚もせず、子も産まず、50歳まで正社員で勤めるならば、男性も女性もほぼ一緒といえるかもしれません。
しかし、それって本当に幸せなのか?
女性が活躍する社会をことさら標ぼうする界隈の人たちがいますが、別に管理職になることだけが幸せでもないし、人生の目標でもないでしょう。結婚して自分の手で子どもを育てたいという思いの女性は活躍していないとでも言いたいのでしょうか?
専業主婦を楽しているだの、いいご身分だのと叩く輩は男女問わずいます。そういう人もいないとは言いませんが、大部分の専業主婦だって働いています。
え?働いていないから専業主婦じゃないのって?
とんでもない。「共働き」という言葉は現在多くの人が夫婦とも就業している状態を指します。しかし、僕はそれは「共稼ぎ」と表現します。たとえ、外に働きに行っていない専業主婦であっても、それは夫婦役割分担の中で毎日家事育児などで働いています。「共稼ぎ」ではないかもしれませんが、すべての夫婦は「共働き」です。
どういう役割分担をしようがそれで夫婦が納得しているなら外野がとやかく言うことではない。むしろ外で働いていない女性を侮辱するような言い方に陥っていることに気づいてもらいたい。
男と女の数を合わせれば平等などという人は、それぞれの個人の思いや事情を無視して、一体何を「輝かそう」としているのでしょう?国が「女性活躍」を言うのは、女性の就業率をあげて国の財政を輝かそうとしているだけですよ。それとも、国は、女性活躍の旗振りのもと、僕が書いた本のように「結婚滅亡」させて、全員独身者にする「超ソロ社会」→「無子国家」を作ろうとしているのでしょうか?
仮に専業主婦であろうとなんだろうと、ぶっちゃけ、ほとんどの家庭という共同体の管理職(ボス)は妻だったりしますよ。
こちらの過去記事もあわせてお読みいただけるとより香ばしいと思います。
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