Z世代のキャリア観考察。「不安」→「選択肢の拡大」がキーワード
こんにちは。
リデザインワークの林です。
Z世代は、ミレニアム世代や、その上の世代と比べて、仕事に求めることや価値観なども違っていて、どう接すればよいのかわからないとよく話を聞きます。また、同趣旨の記事も多いですね。
今回はZ世代のキャリア観について考えてみたいと思います。
今のZ世代が働き始めた頃には、終身雇用や年功序列もだんだん崩れてきていて、上の世代のように「就社」という考え方は薄くなっていて、新卒で入社したタイミングから、転職可能性などを探る世代としても話題になっています。
入社3年目までの若手への調査では、いつまで現在の会社で働きたいかとの質問に、6割が5年以内と回答しています。これは従来の就社概念世代からするとGAPが大きく、理解が難しいのはとてもよくわかります。
Z世代のキャリア観の背景について
では、彼らのキャリア観を形成する時代背景について少し考えてみたいと思います。
Works183号 特集 Z世代 私たちのキャリア観の中で、ワンキャリアEvangelistの寺口さんが以下のように話されています。
これらの記事やコメントから、キャリア観を形成している大きな軸が2つ見えてきます。
一つは、社会システムそのものがほころんできていることによって、1社に就社すれば将来が安泰ではなく、不安定であり、先行きが見通せない不安な時代に生きていること。
もう一つは、SNSネイティブであることで、様々なサービスや情報から自分にあったものを選択するライフスタイルが当たり前になっていて、選択肢が豊富な社会に生きていること。
結果として、先行きが不透明で不安定であることに対する「不安」が前提としてあるため、常にプランBやプランCなどの選択肢を準備しておくことが必要だというマインドセットになっていると考えられるかなと思います。
選択肢の拡大を支えるスキル獲得・成長環境が重要
キャリア観を構成する要素として、「不安」を前提とした「選択肢の用意」が重要であることは時代背景からして素直で当然のように思えてきました。
そう考えると、新卒でコンサルティング会社の人気が高いのも、コンサル出身の人が、事業会社にキャリアを広げて活躍する事例も見ながら、「コンサルティング会社に行ったら選択肢が増える」と見えているんだと思いますし、
入社したタイミングから他の選択肢も見ておくという行動は常にプランBやCの選択肢を持っておく必要がある時代においては、自然に思えます。
そのため、選択肢をひろげるべく、成長できる、どこででも通用するスキルが手に入る優先順位が高いことがキャリア観の重要な要素になってきているんだと思います。
そのため、働き方はホワイトだが、成長実感がわかない企業は、「ゆるブラック」と言われ、Z世代から敬遠されてしまうのも納得がいきます。
今後Z世代に活躍してもらうためには、彼らの選択肢が拡大するようなスキルの獲得や成長を実感できるような仕事をしっかり任せ、しっかりとフィードバックする。これが重要になると思います。
また、上司や仕事内容も会社が決めるスタンスだと、選択肢を豊富に持ちたいZ世代には合いません。手挙げ制や、自己申告制、副業などの選択肢をしっかりと用意して、向き合っていく必要があります。
日本においては、この数十年が、世界的に見ても特殊で稀有な、終身雇用・年功序列という制度の方が世界的には変わっているのではないかと思いました。
その世代のアタリマエからすれば、Z世代のキャリア観はよくわらかないかもしれませんが、今後の時代を踏まえると、不安定で見通せない社会の中で、プランBやCなどの選択肢を常に持っておく、そのために腕を磨いておくというキャリア観は、むしろ世代関係なく必要があるとすら感じました。
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