エコ消費を数学で考える。
確かに、消費のシーンは変わりました。
私は、マーケティングとマセマティクス(数学)が、専門領域です。そう、M&Mです。そして、もちろん生活者です。
さて、みなさんは最近商品を手にするときに、どんなことを考えますか。私は、高校生・大学生の頃には、音楽を聴くのが好きで、良いステレオや、スピーカー、そしてウォークマンのような携帯音楽プレーヤーに強い興味がありました。そして、新製品が出たら、欲しいと思っていました。当時の音響機器は、新製品には新機能があり、それに憧れたからです。
マーケティングの整理では、当時の消費は「機能的価値」が重要だったと整理されています。製品の機能と、その価格を比較し、機能が価格を上回っていると思えば、買うという行動をしていたのです。
しかし、最近では、機能に加えて、「社会的価値」や「情緒的価値」も、マーケティングでは重要視されるようになったと言われています。
社会的価値とは、これから考える「エコ」も含まれるでしょう。つまり、その企業やその製品が「環境について考えているか」ということも、一つの価値になっています。
情緒的価値は、例えば挑戦的な企業なのか、それとも保守的な企業なのかなどという価値です。
つまり、今私たちは消費を行う時に、ある時には、とても多くのことを考えるようになり、そして消費者ごとに、その考えの重要さは異なるのです。
ところで、エコとは、誰のためのエコなのか?
少し、数学の話をしましょう。
このグラフを見てください。このグラフの最小値、一番低い場所はどこでしょうか。皆さんは、このグラフ全体を見ているので、グラフの右側に最小値があるとわかるでしょう。
しかし、皆さんが赤い点線部分だけを見ていたら、全体の最小値は見ることができず、赤い点線部分の低い値を最小値を思うかもしれません。
数学的には、この下に尖った2つの点を、極小値と言います。このグラフでは、極小値が2つあり、そして右の極小値が最小値となると言います。
極小値、最小値を社会に置き換えると
この数学、エコ消費と関係があるのです。
上は、あるコミュニティーだと思ってください。オレンジ色のコミュニティー(左の楕円と、右の楕円)があります。左には左のエコのルールがあり、右には右のエコのルールがあったとします。
例えば、左のコミュニティーでは、生分解プラスチックの利用が促進されていて、右では天然素材の利用が促進されていたとします。この場合、黒い枠の全体でみたら、エコになっているのでしょうか?
エコは「社会的価値」そして、全体最適が必要なテーマ
私にも、この議論の結論はないのですが、エコ消費とはとても、難しく複雑なテーマなのかもしれません。つまり、消費活動が変わり「エコ」というのは、消費における「社会的価値」の一つにはなっています。
しかし、今度は消費者側の課題として、エコを「個人」で考えるのか、「地域」で考えるのか、または「地球規模」で考えるのかで、エコに対する行動が変わり、ほんとうは全体最適が必要テーマであるのです。