見出し画像

いよいよ来年にせまる「2025年問題」への準備はできているのか?

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

本コラムでも度々取り上げている「2025年問題」。いわゆるベビーブーマー世代と言われる団塊の世代(1947〜49年生まれ)は約800万人います。そのすべてが来年までに75歳以上の後期高齢者になります。一般的に高齢者というと65歳以上を指しますが、74歳までの前期高齢者は健康でイキイキと暮らしている方も多いです。しかしながら、後期高齢者となると衰えが加速していきます。日常生活に支援が必要となったり、介護などが本格的に始まるのもここからです。

日常生活のサポートが必要になるという意味で共通点の多い乳幼児と比較してみると、0−5歳の人口は500万人程度です。以前、保育園の待機児童問題が大きく話題となりましたが、全体的な少子化の影響や行政サポートの拡充などもあり解消傾向にあります。今後、大きな社会問題となるのは、介護であることは間違いないと考えています。

昨年に自身の身に突如降り掛かったこの問題について、上記コラムに詳しく書きました。介護というのは育児よりもデリケートな家庭の問題であり、なかなか友人でも話す機会がありません。そのせいもあってか、周囲にも経験者が見つからなかったため、手探りで苦労した状況を書き記しました。育児経験と比べると、心身の負担は介護のほうが大きいです。まず、身体が大きいです(笑)。これは笑い事のように聞こえますが、なにかあればホイッとか変えられる乳幼児と比べると、なかなか難儀なことです。本人もプライドもありますし、大の大人を公共の場で抱えて移動するのは重量的にも心理的にも難しいです。家での介助も同様です。転倒でもしようものなら、女性ひとりで抱えあげることは介助のテクニックがないと難しいでしょう。

共働きが当たり前となってきた現在では、家族間でどう分担するのかも重要なポイントです。平日仕事をしながら対応するのはかなり負担が大きいので、仕事への影響も出てきます。育児に関してはたいぶ社会的な理解が進んできたため以前と比べれば調整がつきやすくなってきたと思いますが、同じレベルで介護についても社内理解の努力が必要でしょう。

団塊の世代が後期高齢者となる2025年が迫り、会社勤めの現役世代が働きながら介護するのが一般的な時代になった。介護の担い手は「ビジネスケアラー」や「ワーキングケアラー」などと様々な呼称で注目を集めている。企業経営や生産性にも影響を及ぼすとして、介護と仕事の両立支援を強化すべく、企業も動き出した。

「離れて暮らす母に認知症の症状が出始め、数年後には徘徊(はいかい)で警察から連絡が来るようになった」。アフラック生命保険に勤める深出貴弘さん(48歳)は自身の状況を振り返る。15年、新潟県で営業として働いていた30代後半のときに、東京都内で一人暮らしをする母親が要介護認定を受けた。核家族で兄弟もいないため、頼れるのは自分だけだった。

日中はヘルパーやデイサービスを利用し、月に1〜2回は東京の実家に帰った。ケアマネジャーからは「エアコンが壊れた」「お財布のお金が足りない」などの日常の細かい連絡も多い。「丁寧な対応はありがたかったが、平日の連絡だったため、その度に仕事をしながら対応しなければいけないストレスもあった」という。20年には都内の高齢者施設への入居を決め、深出さん自身も現在は施設近くに住む。

日経電子版

企業側の制度拡充の動きは大歓迎です。経営幹部や人事は今から準備を急ぎ、社員をサポートする体制を万全にしていただきたいと願っています。

---------
みなさまからいただく「スキ」がものすごく嬉しいので、記事を読んで「へー」と思ったらぜひポチっとしていただけるとモチベーションが高まります!

タイトル画像提供:8x10 / PIXTA(ピクスタ)

#日経COMEMO #NIKKEI

いいなと思ったら応援しよう!